11月3日(日曜)に東京競馬場で行われた第62回GⅡアルゼンチン共和国杯(芝2500m・3歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は10番人気のハヤヤッコが優勝。管理する美浦・国枝栄調教師、騎乗した吉田豊騎手ともに当レースは初勝利。ハヤヤッコは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス(株)

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 スタート後、ジャンカズマアドマイヤビルゴが先手を争い、差がなくショウナンバシットが続きました。隊列が決まってからも極端にペースが緩んだ区間はなく、先行勢にとっては息の入れづらい流れ。結果、直線では差し・追い込みタイプが台頭しました。

 

 

 

【レース分析】 緩みのないペースから適度に上がりがかかったことがハヤヤッコ(10番人気)の勝因として挙げられます。とはいえ、前日の雨は乾き、芝は決してハヤヤッコ向きとは言えない状態。トップハンデを背負いながらレコードとコンマ8秒差で駆けたのは立派。プラスして腹を括り、最後方でジッと我慢させ、末脚を存分に引き出した吉田豊騎手の騎乗も賞賛されるべきでしょう。

 

 

 

「先生からはゲートを出していかないと走る気になってくれないと聞いていましたが、出しても気がなくてイメージしていたよりも後ろの位置になってしまいました。そこから、切り換えて直線に賭けることに徹し、リズム良く追走させることを心掛けました。切れない馬だとは分かっていましたが、外に持ち出してから一完歩ずつ詰めてくれましたし、ラストで左手前に替えてからは、もうひと伸びしてくれました」とレース後に吉田豊騎手はコメント。ちなみに過去10年、トップハンデを背負ってアルゼンチン共和国杯を制したのは16年シュヴァルグラン、21年オーソリティ。2頭は次走でジャパンカップに出走して③②着。今回はGⅡとはいえ、対戦メンバーが決して上質ではなかったのは事実ですが、ハヤヤッコが、このあとGⅠレースに駒を進めても侮りは禁物かもしれません。

 

 

ハヤヤッコの4代血統表

 

 

クロミナンス(1番人気)は道中、中団あたりを追走。鞍上が促すとしっかり反応し、3コーナー手前から進出。直線では外に持ち出し、残り1ハロンあたりで先頭に立ちましたが・・・。今日に関しては勝ち馬を褒めるべきでしょう。春の目黒記念はレースの上がり3ハロンが33秒4、今回は36秒1。同じ東京芝2500mが舞台でも異なるレースの質だったわけですが、クロミナンスはどちらも馬券圏内を確保。堅実ぶりが光ります。私が本命を打ったタイセイフェリーク(6番人気)は③着。混戦ムードが漂う今年の組み合わせならチャンスがあると睨んでいましたが、牝馬受難のレースで勝ち負けに加わったのは高く評価できます。3走前はヘデントールに食い下がったように東京コースも合っていますね。大野騎手も手の内に入れており、次走は自己条件の3勝クラス突破を期待したいところです。

 

 

 

アドマイヤハレー(12番人気)は春の日経賞でも勝ち馬からコンマ4秒差の⑥着と健闘しており、55キロのハンデならこれぐらい走れて不思議なし。休み明けを叩かれ、次走は上積みを見込んでいいでしょうマイネルメモリー(8番人気)は直線に向いて一瞬、鋭く伸びましたが、残り1ハロンを過ぎてから伸びが鈍ってしまいました。現状だと東京の直線は少し長いのかもしれません。サヴォーナ(2番人気)は3~4コーナーはロスを抑えて回り、直線に向いてから馬場の中ほどへ。上手に立ち回りましたが、勝ちに動いた分だけ最後は甘くなってしまいました。ただ、展開や位置取りを考慮すると決して悲観すべき内容ではなく、評価を下げる必要はありません。

 

 

 

text by 藤原 有貴

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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