10月12日(日曜)に東京競馬場で行われた第1回GⅡアイルランドトロフィー(芝1800m・3歳以上・牝馬・別定・曇り・良馬場)はラヴァンダ(4番人気)が優勝。管理する栗東・中村直也調教師、騎乗した岩田望来騎手ともにアイルランドトロフィーは初勝利。ラヴァンダは北海道新冠町森永聡さんの生産馬。馬主は森永聡さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 逃げ馬は不在。最内枠からアドマイヤマツリが押し出されるようにしてハナを切りました。道中でも動きはなく、1000m通過は60秒8というスローペース。直線に向いてからは瞬発力比べとなりました。

 

 

【レース分析】 ラヴァンダ(4番人気)はホライゾネットを着用してパドックに登場。テンションが上がることなく、外めを勢い良く周回して気配は申し分ありませんでした。レースでは脚をためながら中団の外めを追走。外枠でしたから外を回らされる形になりましたが、鮮やかに抜け出して②着に半馬身差をつけて勝利。位置取り、通ったコースを考えれば着差は僅かでも完勝と言っていいでしょう。3歳時から活躍してきましたが、ここにきて本格化してきた印象です。

 

 

「外枠でしたし、行きたい馬を行かせてその後ろからというのはプラン通りでした。道中の雰囲気が良かったので、あとは伸びるだけだと思っていました。逃げる形でも追い込む形でもレースができますし、改めてセンスがいい馬だと感じました。この馬の走りができれば、これからGⅠでも通用しそうです岩田望来騎手はレース後にコメント。前走で3勝クラスを勝ち、連勝での重賞制覇。ただ、もともとは昨年の秋華賞で④着があるように3歳時から高い能力を示していました。今回、単勝で4番人気とファンから支持を集めていたのも納得のいく素材。以前に見せていた詰めの甘さを払拭し、鞍上の言葉通り、GⅠでの活躍が期待されます。

 

ラヴァンダの4代血統表

 

アンゴラブラック(6番人気)は前走からプラス10キロと増えていましたが、これがこの時期の適正な体重。身のこなしは滑らかで仕上がりは良かったですね。内枠を生かして好位のインを追走。理想的なレース運びでした。結果的に勝ち馬の瞬発力に屈したものの、渋太く伸びて②着争いを制しました。小回りでも広いコースでも力を発揮できるのが長所です。カナテープ(5番人気)は470キロ台の馬体重でも走っていますが、もともとカイ食いの細さがあって、14キロの馬体減は気になりました。スタートを決めて、いいポジションを確保。スムーズなレースはできましたが、最後に脚いろが鈍ったあたりは、距離もあるのでしょうか。6月の府中牝馬Sでもワンパンチが足りなかったようにメンバーが強化される重賞でもマイルなら勝ち負けが期待できます。

 

 

ライラック(8番人気)は馬体をふっくらと映し、テンションも上がっていませんでした。仕上がりは良かったですね。後方に控えて直線は外から猛然と追い上げてきました。スローペースで不向きな展開だったことを踏まえれば、中身の濃い④着と言っていいでしょう。セフィロ(12番人気)はプラス10キロと馬体が回復。パドックではキビキビと活気十分に周回できていました。距離を意識して後方待機策。大勢が決したあとでしたが、メンバー最速の上がりで差を詰めました。距離にメドを立て、今後の選択肢が広がりましたね。

1番人気ボンドガールは⑧着。多少、行きたがる素振りを見せてはいましたが、直線ではいつものような伸びは見られず。「道中は落ち着いて走れていました。折り合いは良かったし、勝った馬の後ろあたりで直線に向けたんですが、そこから加速しませんでした。伸び切れなかったですね。ちょっと(敗因が)分かりません」C.ルメール騎手はコメント。前走の関屋記念ではカナテープと接戦を演じ、オフトレイル(スワンSで優勝)に先着。この1戦だけで見限るのは早計でしょう。セキトバイースト(3番人気)は若干、体に余裕を感じましたが、20キロの体重増はほぼ成長分。3番手をキープして折り合いに専念しましたが、スローペースの瞬発力勝負では分が悪いですね。府中牝馬Sの時計でも走れておらず、力を出し切れませんでした。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

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