10月25日(土曜)に東京競馬場で行われた第14回GⅢアルテミスS(芝1600m・2歳・牝馬・馬齢重量・雨・稍重馬場)はフィロステファニ(2番人気)が優勝した。管理する栗東・中内田充正調教師、騎乗した川田将雅騎手のコンビは19年にリアアメリアで優勝しており、ともにアルテミスSは2勝目となった。フィロステファニは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 戦前に想定した通り、マルガがハナを奪取。これにハッピーエンジェルが続き、平均ペースでレースは進みました。

 

 

【レース分析】 フィロステファニ(2番人気)は実戦を経験しても、それほどテンションが上ががっておらず、馬体の方はひと回り成長していました。性別は違いますが、同じ勝負服のマスカレードボールは新潟でデビューし、2戦目となったアイビーSでグンとパフォーマンスを上げました。同じような成長曲線を描いている印象を受けます。レースは好スタートを決めると1番人気マルガを射程圏内に入れつつ折り合いに専念。口向きなど随所に幼さはあるものの、直線に向くと、きっちりと抜け出して快勝。今後の活躍が楽しみになりました。

 

 

「いい走りでした。1週前追い切りに乗った時にとてもいい馬だということは理解しましたし、その分、難しいところもありますが、ここをいい形でレースができれば、というところでした。精神的にどうしてもテンションが高くなって、気持ちが溢れてしまうことが強いので、その点をケアしながらの返し馬も道中もでした。(マルガが逃げる)このような流れになるだろうとは予測していましたが、マークしていたわけではなくこの馬のリズムで走っていたということです。まずはこの重賞をいい内容で走れたことがこの馬には大きいですし、次につながると思います」川田将雅騎手はレース後にコメント。リスグラシュー、ラッキーライラック、ソダシ、サークルオブライフ、チェルヴィニア。アルテミスSは過去10年の勝ち馬のうち半数がその後、GⅠ勝ちしている出世レース。雨馬場を苦にせず、完勝を収めたフィロステファニも大レースを勝てるだけのポテンシャルを秘めています。

 

フィロステファニの4代血統表

 

ミツカネリブラ(9番人気)はいくらかテンションが高かったですが、馬体が締まり、心肺機能も高まった感じ。好位の外めで勝ち馬をマークするようにして追走。馬場のいい部分を通り、直線は渋太く伸びて②着争いを制しました。タイセイボーグ(3番人気)は間隔を開けたことで活気十分。夏場に中1週での出走となった前回より状態は良く映りました。スタートで後手を踏み、後方を進みました。マルガフィロステファニが通ったあたりが馬場のいいラインなのでしょうか。荒れたインを突く形になっても、しっかり脚を使えており、もしも発馬を五分に切れていれば②着はあったでしょう。

 

 

ハッピーエンジェル(4番人気)はキビキビと小気味いい脚捌き。体調は良さそうでした。マルガを行かせて2番手をキープ。理想的なレースはできましたが、相手が強化されての1ハロン延長。その分だけもうひと押しが利かなかった印象です。1番人気に支持されたマルガはテンションが上がることはなく、馬体もひと回り大きくなっていました。好スタートから先頭に立つと、イーブンペースの絶好の逃げは打てました。ただ、マークされる立場でしたし、勝ち馬に交わされると粘りを欠いて⑤着に後退。姉ソダシとの姉妹でのアルテミスS制覇はなりませんでしたが、この1戦だけで見限るのは早計でしょう。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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