4月30日 天皇賞春

 3.12.5は2016年にディープインパクトがマークした3.13.4を0秒9も上回るレコードでした。レースはヤマカツライデンが序盤から飛ばして、7ハロン目まで11秒台のラップが並ぶおよそ長距離とは思えない異様なハイペース。離れた2番以降もかなり速い流れだったことが予想されます。それだけシビアな流れの長距離戦で、スタートで出遅れ、その後も力んで走っていた3番人気のシャケトラ。悪くない位置取りでしたが、直線で伸びを欠いたのも仕方ないでしょう。逆にキャリアを考えると良く走っているとも言えます。同じく5番人気ゴールドアクターも出遅れ。こちらは後方から。我慢比べのようなレース展開では厳しかったですね。

 勝ったキタサンブラックは離れた2番手で、自身もハナを切っているような形。この一頭だけ前が飛ばしている形というのは、単純にハナを切るよりも後ろは動き辛いので良かったと思います。ラスト12秒2のラップが示しているように最後はどの馬も脚が上がっており、まさに底力が問われるサバイバルの様相。理想的な展開であり、且つ最強を証明するに足る展開でした。身体能力の高さに目が行きがちですが、大舞台で動じない、そして鞍上に従順といった精神面こそが、この馬のレース支配力を支える最大の武器ではないでしょうか。

 2着シュヴァルグランは終始勝ち馬を見ながら、いつでも動ける位置。人馬とも完璧なレースだったと思います。これは相手を褒めるしかないでしょう。もういつでもGIを勝てるだけの力は備わっていると思います。

 

 

4月2日 大阪杯

 最初の3ハロンが35秒5。11年にヒルノダムールがレコードをマークした時が35秒8。08年にダイワスカーレットが逃げ切った時が同じ35秒5でした。この08年と今年がまったくといっていいほど同じラップ。 もし、マルターズアポジーが逃げ切っていたらダイワスカーレット級と騒がれていたことでしょう。さすがにキツいです。それを離れていたとはいえ、3番手から悠々と抜け出してきたキタサンブラック。完勝でした。

 サトノクラウンは位置を取りにいってキタサンの後ろ。最後は持ち前の渋太さを見せているのですが、忙しい競馬となって全般に脚が溜まらない感じでした。その分、最後のひと伸びが利かず。ミッキーロケットは懸案のスタートは互角でしたが、そう速いタイプではないですからね。後方からの競馬に。ヤマカツ、マカヒキ、アンビシャスと同じ33秒台の脚は使っていますし、ちょっと内枠も良くなかったかなと思います。

 

 

5月14日 ヴィクトリアマイル

  半マイル通過は47秒9。これはエイジアンウインズが勝った08年に並ぶ、レース創設後、最も遅い流れ。加えて前日の雨が残って水分を含んだ馬場の影響もあって波乱の結果となりました。ミッキークイーンスタートが良く、楽に中団につけられました。前を射程圏に入れながら絶好のレース運びに映りましたが、直線では本来の瞬発力を発揮できずに7着。パドックでは数字以上に馬体を大きく見せて、いよいよ完成の域に達してきたと思ったんですが。2走ボケ、稍重の馬場・・・そのあたりが敗因になるんでしょうか。

 

 

3月25日 日経賞

 前半1000mの通過は61秒台。しかし、ハナを切ったヤマカツライデン(津村騎手)が2周目の向正面でペースを落とさなかったことにより地力勝負に。馬群は縦に長くなり、3、4角にかけて力の劣る馬は厳しい流れに付いていけずに後退していきました。後方待機組にとっては仕掛けが難しい中で、好騎乗が光ったのは今回がシャケトラと初コンビを組んだ田辺騎手でした。絶妙のタイミングで動き出し、勢いに乗ったまま直線を迎えると鮮やかな差し切り。勿論、シャケトラ自身の能力があればこそできた芸当でもあります。初めての東上+コースで結果を出したあたり充実一途。シングスピールはローエングリンやアサクサデンエンの父として知られていますが、母父としてもシャケトラだけでなくローブティサージュ、シンハライトを輩出。現役時にドバイワールドカップ、ジャパンカップなどを制した優秀な遺伝子は本邦でもしっかりと受け継がれています。

 レインボーラインは内で窮屈になりかけましたが、脚を見せて4着。馬体が増えていましたし、次につながる競馬はできたと思います。1番人気に推されたのは昨年の覇者ゴールドアクター。もともとテンションの高いタイプですが、いつも以上にうるさかった印象を受けました。ただ、それが直接の敗因ではなくて、昨年のジャパンカップ→有馬記念もそうでしたが、重賞を連勝していた当時に比べると能力に多少翳りが感じられます。他馬より重い57キロを背負うだけに、予想としては評価を下げるべきだったかも知れません。

 

 

6月3日 鳴尾記念

 

 

6月11日 エプソムカップ

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。