5月28日(日曜)に東京競馬場で行われた第137回GⅡ目黒記念(芝2500m・4歳以上・晴れ・良馬場)は単勝4番人気に支持されたヒートオンビートが優勝。管理する栗東・友道康夫調教師、騎乗したD.レーン騎手とも目黒記念は2勝目となった。ヒートオンビートは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを切ったディアスティマが迷いなく先手を主張。内のバーデンヴァイラーも出脚が良く、一旦はハナを窺う勢いでしたが、折り合いを優先したようで、1コーナーに入る手前では前が単騎で逃げる形に。前半に13秒1→13秒0の箇所があるように流れは緩く、後半に進むにつれて徐々にペースアップ。ラストの1ハロンは12秒0を要しましたが、その前が11秒2→11秒3ですから外を回った差し・追い込み型には厳しい展開になり、先行力や道中で上手に立ち回れる機動力の有無が明暗を分ける結果となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったヒートオンビート(4番人気)はポンとスタートを出ると自然体で流れに乗り、スタンド前のうちに中団のインのポジションをキープ。道中は外の③着馬と併走するような形でしたが、終始、手応えには余裕があり、勝負どころでは一歩前にいた⑤着馬を追うように進出を開始。直線を向いたところでは少し窮屈になりそうなシーンもありましたが、鞍上が巧みに捌いて残り300mで進路が開くと一気に加速して脚を伸ばし、逃げ粘る②着馬をハナ差だけ捉えたところがゴールでした。

 

 

 「スタートしてそこそこペースが流れていたので、自分の馬は折り合ってリズム良く走れました。直線に向くまでいい感じでしたし、最後まで一生懸命に走ってくれて、いい勝ち方ができました」とレース後にD.レーン騎手はコメント。スタートからゴールまで何のロスもなく、しかも今までに見られなかったような瞬発力を引き出した鞍上の手腕が光りましたし、ジョッキーが同じ日のダービーと目黒記念を連勝は17年の.ルメール騎手以来になる快挙。ヒートオンビートも21年の当レース②着、昨年の日経賞、アルゼンチン共和国杯③着と2500mのGⅡでは過去にも好走していました(今年の日経賞⑥着は不良馬場)から、終わってみれば順当ともいえる結果。6歳馬でも条件さえ合えば、重賞勝利を積み重ねる可能性は大いにありそうです。

 

ヒートオンビートの4代血統表

 

 ②着も同じ6歳のディアスティマ(単勝6番人気)で、この馬は本紙が当日版で◎に指名。北村友一騎手が迷わず逃げる競馬を選択し、単騎先行の形に持ち込めたことが好走した最大の要因でしょうが、12キロ減の馬体はすっきりと見えて、今期3戦目で体調も上がっていた様子。2番手集団の馬が掲示板に載れなかったことを考えると、単に展開利だけでなく、スタミナの裏付けもあっての結果といえますし、今後も主導権を握るレースができれば、重賞初勝利のシーンが見られそうです。③着が1番人気に支持されていたサリエラですが、こちらも初距離、16番枠を考慮すれば健闘といえる内容。最後の伸び脚はさすがと思わせて、潜在能力の高さは十分に示しましたし、.ルメール騎手も「馬は良くなっていたので、秋以降が楽しみです」とレース後に語っていました。

 

 

 ④着ゼッフィーロ(3番人気)は最内枠でも出脚が鈍く、内枠の利を生かせず、直線では馬群の大外へ持ち出す形に。それでも前走と違ってモタれることはなく、上がり最速の末脚で伸びてきましたから、重賞でも通用する能力は確認できました。今後は展開次第となりますが、序盤の立ち回りもポイントになりそうです。⑤着のプラダリア(2番人気)は勝ち馬の一歩前で運べた割に、追い出してからの弾け方が今ひとつ。陣営からは戦前に体調面を気にする談話が出ていましたが、スローペースの瞬発力勝負に課題がある印象も受けました。次走以降に向けては4コーナーで手応え抜群だった⑥着のバラジ(7番人気)が距離短縮で狙えそうですし、自分が◎にしていたライラック(5番人気)も④着馬と同様、後方待機から馬群の外を回り展開が向かず、脚を伸ばしながら0秒6差の⑨着だったので、見直せる余地はあると考えています。

 

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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