競馬 研究ニュース

第80回 桜花賞 回顧

 

 

2020年4月12日(日) 2回阪神6日目

 良馬場でスタートした芝も降りしきる雨によって10Rには重馬場へと変貌。タフな馬場での桜花賞となりました。前半46秒5、後半49秒6。前後半の差が3秒1もあるハイペースで、昨年とは対照的。レースは宣言通りスマイルカナがハナへ。ここ2戦は逃げていた1番人気レシステンシアは外枠からジンワリと前にとりつきます。その後ろにナイントゥファイブ、マルターズディオサ。3角でヤマカツマーメイドも外から押し上げて3番手へ。前2頭が作り出したペースは直線に向くまでほとんど緩むところがありませんでした。

 優勝はデアリングタクト。管理する杉山晴紀調教師、松山弘平騎手ともに桜花賞は初勝利。昨年に産駒がデビューしたエピファネイアですが、これが初重賞勝ち。これまで大きなところでは少し足りないと言われてきましたが、初年度産駒からいきなりG1ホースを輩出。馬主は(株)ノルマンディーサラブレッドレーシング。クラブ初のクラシック制覇となりました。生産は長谷川牧場。日高町から期待の大物が誕生です。関係者の皆さんにとっては、まさに念願のといったところですが、それだけに大観衆の前で祝福されてほしかったですね。

 では、レースの方を振り返りましょう。デアリングタクトは中団の後ろから。道中は折り合いに専念。速い流れで馬群がばらけていたこともあり、3角を過ぎてスムーズに外めの進路を確保。直線に向いて前とはかなり差がありましたが、外からグイグイ追い上げて最後は1馬身1/2の差をつける完勝。強かったです。良馬場なら更に切れることは間違いないですが、そうすると前が止まらなかった可能性もあり、こればかりは分かりません。距離に関しては、松山騎手が「少しイレ込むところがあるので、その辺は課題になってきますが、折り合いさえつけば距離が延びても大丈夫」とのこと。

 2着レシステンシアと3着スマイルカナは自分の競馬をやり切ったと言っていいでしょう。レシステンシアは外枠でしたが、包まれることもなくジワッと前にとりつくことができました。粘る逃げ馬を振り切ったところで外から勝ち馬の強襲に遭いましたが、ペースを考えるとこの馬も強い競馬をしています。スマイルカナは好枠を生かして宣言通りハナへ。ペースは速かったですが、勝負どころの手応えは②着馬よりも良かったぐらい。自分の形に持ち込むと本当に渋太いですね。直線は②着馬に体を併せに行って一杯に粘り込みました。

 クラヴァシュドールは3角過ぎで引っ張る不利。後ろに下がってしまいました。ロスを挽回するべく内に進路を取り、直線もラチ沿いから伸びてきましたが、④着まで。少し残念な競馬になりました。ミヤマザクラは好位の外め。ただ、3角を過ぎてコーナーで進んでいきませんでした。最後は盛り返し気味に⑤着まで来たようにバテていたわけではありません。「3角過ぎからのめりっぱなしでした」とは福永騎手。

 3番人気のサンクテュエールは⑥着。中団の内でロスなく乗られましたが、ピリッとした脚は使えませんでした。リアアメリアは戦前の予想通り道悪が良くなかったのでしょう。直線で外に出すこともできず、今日のところは参考外です。

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。