2021年4月11日(日) 2回阪神6日
今年の桜花賞はレースレコードどころか、従来のコースレコードを0秒8も更新する1.31.1の決着。ただ、その兆しはレース前からありました。同舞台で行われた7R2勝クラスが1.32.2。10R大阪―ハンブルクカップはJRAレコードの決着。ツイッターでも「1分31秒台の決着になるのでは?」と呟きましたが、正にその通りとなりました。
レースを制したのはソダシ。白毛馬初のクラシック競走出走でしたが、初のクラシック制覇まで成し遂げました。無敗での桜花賞制覇は昨年のデアリングタクトに続き2年連続8頭目、最優秀2歳牝馬の勝利は、 2010年アパパネ以来11年ぶり10頭目となります。前半34.1は2014年ハープスターが勝った33.8に続いて、過去10年で2番目に速い数字。この年は完全に前潰れになりました。今年は後半も34.3と速く、ある程度のポジションにいないと届かない流れ。地力勝負だけに上位に来た馬の力は素直に評価して良いと思いますし、逆に後方から外を回した馬には見直す余地があると思います。
勝ち馬は非常に強くて上手なレース。途中からメイケイエールがハナに立つ以外(これもある意味予想通り?)は、ほぼ予想通りの馬が先行して、自身は好位のインでしっかりと脚が溜まっていました。あとは直線に向いて馬群をどう捌くかだけといった様子でしたが、外にいたジネストラに余力がなかったので案外簡単でしたね。残り1ハロン手前で前に出ると、そのまま先頭でゴール。吉田隼人騎手はクラシック初制覇の快挙。
サトノレイナスは阪神JFに続いての②着。今開催の阪神はロングランを見越してか、使い込んでも時計が速い。分かってはいましたが、外枠がそこまで不利になるとは思っていませんでした。前日の芝レースを見ても切れ勝負になりそうと思ったぐらい。ただ、このレースは(向正面の不利も含めて)外枠不利。スタートはやはり今ひとつ。道中は後方を進んで、直線で外へ。これは無理だろうといった位置からグイグイ坂を駆け上がってきて、終わってみれば勝ち馬とクビ差。上がり32.9は勿論レース最速。負けて強しと言える内容でした。枠もありますが、勝ち馬とは完成度の違いだったとも言えますし、距離適性の差とも言えるででしょう。
ファインルージュは8番人気でしたが、研究ニュースの本紙本命。馬単は▲〇での的中ですが、3連単はフォーメーションでキッチリと的中でした。道中は勝ち馬をマークする形。ビクトリーロードをトレースしてコンマ1秒差まで追い上げる好騎乗でしたが、詰め切れなかったのは現時点での力の差。時計勝負はまったく問題ありませんでした。今年は上位馬がいわゆる前哨戦というものを使わない臨戦過程。トライアルのレベルが?だったというのもありますが、もうブッツケを気にする必要はありませんね。また、この馬は阪神が初コース。コース未経験で馬券になった馬は、過去10年でアーモノドアイ、デアリングタクトの2頭だけ。それだけキャリアの浅い3歳にとって経験が物を言う。それを克服しての③着は、ポテンシャルの高さを物語っています。
父母ともに三冠馬で注目されたアカイトリノムスメ。勝てば初となる桜花賞母子制覇でした。鞍上は売り出し中の横山武史騎手。この馬も好枠からいいポジションを取れましたし、スムーズな競馬。現状の力は出し切ったと思います。勝負どころの手応えは勝ち馬より劣勢でしたが、最後は差を詰めているように力があります。
アールドヴィーヴルは上位4頭から3馬身離されての⑤着。パドックを見て極端に細いとは思いませんでしたが、更に馬体が減っていたのは決してプラスではなかったでしょう。弊社の桜花賞動画で美浦の藤田TMもその点には触れていました。その中で掲示板に載るあたりは資質の高さかと。キャリアも浅いですし、これからに期待します。私の本命ソングラインは向正面の不利が痛かったです。スムーズだったとしても届いたかどうかは分かりませんが、あれで気持ちが切れしまったように見受けられました。メイケイエールは取り捨てに悩みましたが、思い切ってビュンビュン飛ばした場合が怖いということで印を回しました。が、結果はスタートで立ち上がって万事休す。パドックでは大人しいんですけどね…。向正面で銜受けが不良となったことについて平地調教再審査となりました。
text by 小林
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