5月15日に東京競馬場で行われた第66回GⅡ京王杯スプリングカップ(芝1400m・4歳以上・別定・晴・良馬場)は単勝1番人気に支持されたラウダシオンが追い上げてくる後続を振り切って優勝。騎乗したM.デムーロ騎手は2017年レッドファルクス以来、2度目の勝利。管理する栗東・斉藤崇史調教師は当レース初勝利。この結果、勝ったラウダシオンはGⅠ安田記念の優先出走権を獲得した。ラウダシオンは北海道白老町・(有)社台コーポレーション白老ファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 前半3ハロン通過は34秒3。これは昨年よりも0秒9速い数字。ただ、主導権を握ったビオグラフィーが後続を大きく離して逃げる形。2番手を進んだラウダシオンが勝利し、3番手に陣取ったカイザーミノルが③着に粘ったわけですから先行有利だったと考えていいでしょう。
GⅠを制した春の東京で大変身
【レース分析】 ラウダシオン(単勝1番人気)はGⅠ高松宮記念⑭着以来の実戦。ひと息入っての出走でも、馬体の張りは良く、テンションの高さも許容範囲内に映りました。スタート後、ひとつ内のビオグラフィーを行かせて2番手を追走。外から被せられたりすることはなく、気分良く運べたこと、そして先行タイプに有利な展開が好走要因でしょう。それでも、別定戦で他馬より1キロ重い57キロを背負っての勝利は立派。自身の上がり3ハロンは33秒5。前で運べて速い上がりでまとめられますから良馬場の時計勝負はピッタリですね。これで東京芝コースでは①①②①着。
「3歳時にNHKマイルカップを勝ったあとは、この馬向きの展開にならなかったり、馬場コンディションが合わなかったりで、期待したほどの結果を出せないでいました。早めに先頭に立つと物見をする馬なのですが、今日はそうならないようにして、能力をフルに引き出すことができました。また良馬場だったことも幸いしましたね」とレース後にM.デムーロ騎手はコメント。昨年のGⅠ NHKマイルC以来となる勝利を挙げて、いざ春のマイル王決定戦へ。東京芝コースでの敗戦は昨年、3歳としては過酷な56キロを背負ったGⅡ富士S②着だけ。次走に期待が膨らみます。
トゥラヴェスーラが差しをマスター
②着に食い込んだのはトゥラヴェスーラ(単勝10番人気)。今回が初めての1400m起用。抑えているうちにポジションは最後方近くまで下がりましたが、鞍上の狙い通り、折り合いをつけることに成功。脚が溜まっていましたね。直線に向くと、鮫島克駿騎手が馬場の真ん中へ誘導。進路が開くと同時に反応良くスペースを通って馬群から脱出。メンバー中、最速の600m32秒5という上がりを駆使して勝ち馬に詰め寄りました。鮫島克駿騎手は④着だった前走のGⅠ高松宮記念に続き、トゥラヴェスーラの末脚を見事に引き出したように手も合っています。東京コースの1400mで好走したことで今後の選択肢も増えたことでしょう。
③着はカイザーミノル(単勝8番人気)。前走のGⅡマイラーズCは6ハロン戦並みの速いペースを積極的に追いかけて③着。一転し、今回は比較的ゆったりとした流れでも馬券圏内を確保。異なるペースでも続けて好走できたのは自信になったはず。展開さえ噛み合えば、重賞制覇も十分可能ではないでしょうか。カイザーミノルの直後を進んだミッキーブリランテ(単勝5番人気)が④着に入り、⑤着には逃げたビオグラフィー(単勝13番人気)。この点からも先行勢に有利な展開でした。不向きな流れを考慮しますと、外を通って⑥着まで押し上げたシャインガーネット(単勝9番人気)は褒めるべきレース内容でした。
text by 藤原 有貴
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
【データ泣き笑い】
〇前走クラス・・・①~③着馬の前走を見ると、勝ち馬はGⅠ⑭着、②着馬はGⅠ④着、③着馬はGⅡ③着(0秒2差)。いずれも好走条件を満たしていた。 〇前走・・・昨年に続き、GⅠ高松宮記念組がワンツー。③着には前走芝マイル重賞組。来年もGⅠ高松宮記念組が優勢な流れは続きそうだ。 コラム「データから推す」は3連複6点を推奨し、16,740円の高配当をヒット!
《京王杯SC 2016-20》 |