2021年11月21日(日曜) 5回阪神6日
陣営のコメント通り、サウンドカナロアが控える競馬をしたことで、最内枠のホウオウアマゾンがハナ。その後ろに内からクリノガウディー、サリオス、グレナディアガーズ。前半47秒6、後半45秒0の後傾ラップ。昨年は前半46秒9、後半45秒1でした。同日同舞台の2歳新馬戦で前半48秒0、46秒7でしたから、やはりG1にしては落ち着いた流れだったでしょう。
勝ったグランアレグリアの位置取りは中団の後ろで、ダノンザキッド=川田騎手を追走する形。残り800m地点でダノンザキッドとリプレーザの間に馬を捩じ込んで一列ポジションをアップ。リプレーザの幸騎手は、「4角で勝ち馬が横にいましたが、そのパワーが凄く、抵抗できませんでした」と。確かに残り600地点過ぎでもルメール騎手は手綱を抑えており、この馬らしい唸るような手応えでした。ペースは遅い、大外を回るロスもある。実際にレース上がりは33秒3。それでも、この馬の決め手を信じてじっくりと乗ったルメール騎手と、それにしっかり応えたグランアレグリアの走りが結実した勝利。最後は内へ切れ込みながら一気に前をのみ込みました。同馬はこれで引退。次は子供たちの活躍に期待しましょう。
②③着には3歳馬が入り、世代レベルの高さを証明しました。シュネルマイスターの道中は中団の内。ロスなく立ち回って、直線ではインディチャンプの外へ。着差を考えると、直線で前を捌くのに手間取ったのが勿体なかったですね。内は荒れていましたが、枠順を考えると立ち回りとしてはほぼ完璧。ダノンザキッドは中団の馬込みの中。G1ともなると他馬からのプレッシャーも厳しいですが、揉まれても萎えない精神面の強さが光りました。逆にテンションの高さは少し気になるところ。勝負どころはサウンドキアラの後ろにいて仕掛けが遅れたと見るか、脚が溜まったと見るか、そこは意見が分かれそうですが、安田隆調教師が「勝ち馬は強かったけど②着馬とは展開のアヤ、とジョッキーも言っていました」とコメントしたことから前者の可能性が高いかも。女王が引退した後、この2頭がマイル界隈を引っ張っていきそうです。
インディチャンプはサリオスをマークする道中。ポジション取りの巧い福永騎手らしい、いい感じのレース運びでした。追い出すタイミングもばっちりで、現状の力は出し切れたのではないでしょうか。ただ、今回ももうワンパンチですね。前記サリオスはスローペースで力んでいました。ブリンカー効果もあってスタートも決まりましたが、却ってうまく脚が溜まらず、その分だけ上位勢に切れ負け。ホウオウアマゾンにも差し返されたのは少し不満が残ります。
4番人気グレナディアガーズは⑬着。レース後、「返し馬やゲート裏の雰囲気は良かったのですが、前に壁を作れず力んでしまい、リラックスできないままでしたね。うまく乗れませんでした」と池添騎手がコメントしたように今回は度外視していいでしょう。
text by 小林
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