5月8日(日曜)に新潟競馬場で行われた第44回GⅢ新潟大賞典(芝2000m・外回り・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はレッドガラン(単勝7番人気)が接戦を制して優勝。騎乗した岩田康誠騎手、管理する栗東・安田隆行調教師とも新潟大賞典は初勝利。レッドガランは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は㈱東京ホースレーシング

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 互角のスタートからアルサトワが先手を主張しましたが、最内枠のマウントゴールドなども気合をつけて積極的にレースを運んだため、2ハロン目が10秒7。その後もラストの1ハロンを除けば最も遅い区間で12秒1と向正面の長い新潟外回り2000mにしてはペースが緩まず、上がり3ハロンも35秒1と適度に要して、末脚の持久力、渋太さが要求される展開となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったレッドガラン(単勝7番人気)はスタートを決めるとスッとポジションを下げて折り合い、3ハロン通過あたりから外を追い上げて好位置をキープ。勝負どころでは先に動いた④着馬を追うように進出を開始して、直線では見た目の手応え以上に長く脚を使い、前を捉えると最後は②③着馬の追撃も凌ぎ切りました。

 

レッドガランの4代血統表

 

「力通りのパフォーマンスを見せてくれましたし、ゴール前も気持ちが途切れなかったことで勝てたと思います。序盤は凄く流れが速かったですが、それには見向きもせずに、自分のペースで運びました。3コーナー手前からペースが落ちたので、そこからコース形態を利用して上がっていきました。直線では1回、諦めかけましたが、挟まれるような形になって、もう1回ファイトして、ゴールまで駆け抜けてくれました。乗っている感じでは、馬はまだ若いですし、次も頑張ってくれると思います」とレース後に岩田康誠騎手はコメント。ジョッキーの冷静なペース判断が光りましたが、鞍上のアクションに応えるように、長く脚を使った馬も7歳になった今年、重賞を2勝と、充実している様子。トップハンデでの勝利がそれを物語っています。

 

 

 ②着カイザーバローズ(3番人気)はスタートで他馬に寄られ、トモを落ちすような感じで行き脚がつきませんでしたが、差す競馬に切り替えたことが結果的に吉と出て、直線でしっかりと脚を伸ばしてきました。昇級緒戦、重賞初挑戦で勝ち馬とクビ差②着ですから地力強化も間違いなく、少なくとも1800~2000mのGⅢなら、次走以降も目の離せない存在といえます。③着ヤシャマル(5番人気)も中団追走から脚を伸ばして、左回りの中距離がベストであることを再認識させる走り。こちらも適条件なら重賞初制覇は射程圏内に入っています。

 

 

 更に目についたのが14番人気で④着だったモズナガレボシの頑張り。積極的に前を追いかけ、先に仕掛けて一旦は先頭に立った内容は中身が濃く、昨年の夏にGⅢ勝ちの実績、地力を改めてアピールしました。中間に反動が出ていないようなら、次は狙い目になりそうです。⑤着ステラリア(2番人気)は正直、調教VTRで確認した動きが今ひとつの印象で、△にシルシを下げてレースでも内にモタれていましたが、それでも掲示板は確保。GⅠ②着の底力は示したといえます。本紙で◎にしたアイコンテーラーは1番人気で⑨着。勝ち馬との着差は0秒7ですが、好位のインから伸び切れず、厳しい流れの経験が足りなかった気がします。逃げたアルサトワ(6番人気)もバテ過ぎですが、こちらはレース中に鼻出血を発症していたので、参考外の一戦と見ていいでしょう。

 

 

 

 

 

 

             text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

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