6月12日(日曜)に函館競馬場で行われたサマースプリントシリーズ開幕戦第29回GⅢ函館スプリントS(芝1200m・3歳以上・別定・晴れ・良馬場)はナムラクレア(単勝1番人気)が3番手から抜け出して優勝。騎乗した浜中俊騎手、管理する栗東・長谷川浩大調教師とも当レースは初勝利。ナムラクレアは北海道浦河町谷川牧場の生産馬。馬主は奈村睦弘さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 スタートは若干、外のレイハリアの方が速かったですが、二の脚を利かせてビアンフェが大方の予想通りにハナへ。前半3ハロン通過32秒8は開幕週の馬場のGⅢとしてはオーバーペースというほどの急流ではありませんでしたが、その後も11秒2→11秒2とラップは落ちず、ラストの1ハロンだけ12秒0を要し、②着以下には差しタイプも台頭が可能となるような展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったナムラクレア(単勝1番人気)は50キロの軽量だったこともあり、久しぶりの1200mにも難なく対応し、行きっぷり良く3番手の位置をキープ。直線を向いてからも脚いろは乱れず、力強く抜け出して後続を突き放す完勝劇を演じました。

 

ナムラクレアの4代血統表

 

「ポジションを取ることだけに集中し、ゴーサインを出してからの反応も良く、抜け出してからも交わされることはないだろうと思えるくらいの伸びでした。父のミッキーアイルと同様、スピードと瞬発力に秀でていますし、短距離にシフトして強い競馬でした。今後は更に相手が強くなりますが、この馬なら十分に戦えると思うので、期待していますとレース後に浜中騎手はコメント。確かに今回は斤量面のアドバンテージが大きかったですが、着差のつきづらい短距離戦で②着に2馬身半差は申し分のない勝ちっぷり。昨年の小倉2歳S勝ち、そして1400mのフィリーズレビュー②着時の走破タイムも優秀でしたから、秋のスプリンターズSでも主役候補といって差し支えないでしょう。

 ②着ジュビリーヘッド(7番人気)は今回がオープンに昇級緒戦、重賞にも初挑戦でしたが、芝1200mでは掲示板外ゼロの堅実さ、相手なりの渋太さを遺憾なく発揮し、接戦の次位争いを制しました。立ち回りも上手なタイプですから、今後も大きく崩れることはないでしょう。複穴になった③着タイセイアベニール(13番人気)は後方から馬群の最内を突いて伸びてきて、内めの枠を生かした鞍上の大胆な騎乗が嵌まった格好。ただ、もともと重賞でも入着歴があった馬ですから、今回は人気薄の気楽な立場だけが好走の要因と考えるのは危険かも。昨夏、札幌のオープン特別・UHB賞で②着も、大外枠からハナ差の惜敗でした。

 

 

 そして今後に向けて大いに注目したいのが④着レイハリア(8番人気)のレースぶり。好スタートから逃げた馬をぴったりとマークして、勝ち馬に交わされてからも粘っていた点は高く評価できます。重賞2勝の実績は伊達ではなく、初騎乗となった松岡騎手も手が合う印象を受けました。2番人気で⑦着に終わったヴェントヴォーチェは追走に余裕がなく、速い流れでキャリアの差が出てしまった感じ。こちらも今回の経験が次走以降に生きてくるはずで、人気が下がるようなら、逆に狙い目となりそうです。5番人気で⑮着のプルパレイはスタートが今ひとつでも、すぐに挽回できたように距離に関しては問題なかったですが、直線で前が詰まり、進路を切り替えたところでも挟まって万事休す。最後は鞍上も無理をしていませんでしたから、完全に参考外の一戦といえます。一方、3番人気でしんがり負けを喫したビアンフェは、速い流れでもさすがにバテ過ぎに見えますが、②着馬との着差は0秒7。4キロ増の馬体も少し太く映りましたから、簡単に評価を下げない方がいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

          text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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