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第57回 北九州記念 回顧

 

 

2022年8月14日(日) 4回小倉2日

 前日の夜中に58ミリの大雨が降り、芝は重スタート。メインの頃には良馬場まで回復しましたが、パンパンの良馬場とはいかなかったはずです。1分6秒台の時計は出ましたが、稍重馬場だった9R耶馬渓特別と同タイムではそこまで価値はないかも。レースは予想通り、テイエムスパーダとシンシティのハナ争いに。結果、内のテイエムスパーダがハナを取りましたが、シンシティも無理はしませんでした。耶馬渓特別が前半32秒4(7R1勝級で32秒8)ですから、道中のラップもそれほど速くはありません。シンシティが直線へ向く前に早々と脱落し、先頭のテイエムスパーダは馬場の内を開けて直線へ。国分恭介騎手は「ポジション争いがきつくなってしまいました」とのコメントを残しましたが、ペースの割に粘れなかったところを見ると、やはり乾いた馬場の方がいいのでしょう。

 前述の通り、先行馬が内を開けたことにより、外を回す馬は更に外へとなり、結果うまくインを突いた馬がワンツー。勝ったのは16番人気のボンボヤージ。単勝は16,430円の万馬券でした。道中は中団のイン。勝負どころの手応えは楽でしたね。4角で一つ前のアネゴハダが内を開けたことでビクトリーロードが広がっていました。午前中からレースを見ていて内がいいわけではありませんでしたが、馬場が乾いてきたこともあり、そこまで悪くもありませんでした。直線は川須騎手の必死なアクションに応えて力強い伸び。昨年のこのレースは鞍ズレがあって0秒5差。一年の雌伏の時を経て重賞初制覇です。「末脚を生かす形に脚質転換を図っているところなんですが、今日は1番枠を最大限に生かす競馬をしようと思っていました。小倉との相性の良さ、軽ハンデ、枠順などがうまく噛み合いましたが、立派な走りをしてくれたと思います」と川須騎手。ボンボヤージの馬名の意味は「どうぞ良い旅を」。管理する梅田智之調教師は、解散する伊藤雄二元調教師のスタッフや所有馬の一部を引き継いで開業した経緯があり、先日亡くなられた伊藤雄二元調教師への手向けの勝利にもなりました。

 タイセイビジョンは後方から枠なりに進んで、終始インにこだわった競馬。前走のCBC賞と同じように内から脚を伸ばしましたが、今回も前を捉えるまでには至らず。前回は勝ち馬とハンデ9㎏差。今回は6㎏差。ハンデ差を考えれば頑張っています。私の◎ナムラクレアは中団を追走。4角で内を突きそうな挙動でしたが、実際は外へ。しかし、そちらには進路がなく、馬群を縫うように伸びながら再び内へ。ゴール前の脚勢はナンバー1でしたが、蛇行した分のロスが大きかったですね。まっすぐ走れていれば頭もあったかなという内容。浜中騎手も「僕がうまく誘導できなかったことに尽きます」とコメント。

 アネゴハダはプラス14㎏でも太くはありませんでした。レースは前にテイエムスパーダを見ながら進める形。手応えは悪くありませんでしたし、目標のテイエムはしっかりと交わしています。酒井学騎手も「行く馬の後ろで、イメージ通りの競馬ができました」とのことです。ただ、4角でもう少し内を締めたかったですね。モントライゼはうまく内に潜り込んで、道中は①②着馬の間のポジション。途中まではうまく乗られていましたが、ゴール前で手綱を落としたのが痛かった。勝つまでは難しいかもしれませんが、まともなら着順は上がっていたと思います。

text by 小林  

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