10月8日(土曜)に東京競馬場で行われた第8回GⅢサウジアラビアロイヤルカップ(芝1600m・2歳・馬齢重量・曇り・良馬場)はドルチェモアがゴール前で逃げ馬を捉えて優勝。騎乗した横山和生騎手はサウジアラビアロイヤルC初勝利。管理する栗東・須貝尚介調教師は20年にステラヴェローチェで優勝しており、2勝目となった。ドルチェモアは北海道沙流郡日高町下河辺牧場の生産馬。馬主は㈱スリーエイチレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 内からグラニットが注文をつけてハナに立ちました。その後も11秒台のラップが続いたようにペースを落とさず、前半1000m通過は57秒8と平均的に速めの流れ。ただ、大きく離れた後続集団は実質、超がつくほどのスローペ
【レース分析】 勝ったのは自身が当日版の紙面で◎にしていたドルチェモア(単勝2番人気)好スタートから大きく離れた2番手を追走。さながら自分が逃げているのと同じような形となりましたが、しっかりとためが利いた走りにセンスの良さが窺えました。直線を向いてから鞍上が仕掛けると反応良く伸びて、ゴール前で②着馬を捉え、後続にも付け入る隙を与えませんでした。
「走りのリズムが良かったですし、ドルチェモアの力を信じていたので、直線でも届くと思いながら乗っていました。道中の手応えも良かったですよ。血統馬で新馬の頃から期待している馬ですし、返し馬でも良さが伝わってきました。このまま順調にいってくれれば、まだまだ頑張ってくれるでしょう」と横山和生騎手はコメント。札幌での初戦が逃げ切りでも一本調子な走りではなく、東京の軽い芝、控える形に対応できたのは期待通りでしたが、メンバー中最速の上がりを計時した瞬発力は想像以上。調教でも併せている同厩のソダシと同様、2歳の早い段階で洋芝から東京の決め手比べへの変化に対応、むしろ更に良さが出た印象ですから、今後が大いに楽しみになりました。
②着グラニット(7番人気)は東京の開幕馬場を意識した陣営の作戦、鞍上の判断が見事に嵌まりましたが、このペースで連対圏に粘れたのは馬の能力があればこそ。前走の新潟2歳S⑥着も好位で運んで0秒5差でしたし、展開の恩恵だけが好走要因とは考えない方がいいでしょう。③着シルヴァーソニック(3番人気)は勝ち馬の直後から切れる脚を使えませんでしたが、渋太く伸びて馬券圏内を確保。立ち回りが上手ですし、馬体などもパワーアップする余地がありそうな感じですから、今後の成長を待ちたいところです。
そして④着が断然の支持を集めていたノッキングポイント。見た目が前走とは違う競馬でも2番手以降はスローからの瞬発力比べで、自身の上がりは初戦ほどの数字ではありませんでしたから、「もっと切れると思ったんですが、直線でギアがアップせず、ジリジリとした伸びでした」というC.ルメール騎手のコメント通りの内容といえます。となれば続きの「走り方は綺麗なんですが、もっと距離が長い方がいいのかも知れません」というところまで覚えておきたいですね。⑤着マイネルケレリウス(4番人気)はスタートが今ひとつで、レースの流れに乗れなかった印象。今日の展開で4コーナー最後方では厳しかったですし、現状は少し線が細いので、この馬も体がひと回り大きくなれば、変わってきそうな気がしています。
text by 五十嵐 友二
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