2022年11月26日(土) 5回阪神7日

 土曜朝5時の芝の含水率はゴール前10.4%。ダートは終日稍重馬場でしたし、良馬場発表でもパンパン馬場とはいきませんでした。ただ、その割に時計は出た感じ。2歳未勝利1400mで1分21秒0でした。仮柵を設置したBコース替わりで外よりも内を回した馬の方が上位に来る感じ。レースは前半47秒9─60秒4、後半60秒1─47秒8の平均ペース。切れよりも持続力が問われたレース。時計は今年ここまでの阪神2000m2歳戦では最速。馬場は違いますが、春の若葉Sとは0秒3差、忘れな草賞と0秒2差でした。あと、4コーナー、直線とゴチャつくシーンが何カ所かありました。

 勝ったのはハナを切ったグリューネグリーン。M.デムーロ騎手は「ゲートは出過ぎたぐらいだが、ワンペースなので無理に抑えても仕方ないと思い、あの位置に」と話していました。前走は逃げた馬が飛ばして前半57秒9のハイペースでしたが、それを2番手から押し切っており、適性のある持続力勝負にうまく持ち込みました。また、Bコース替わりの内回りという舞台設定もこの馬に味方。他にいく馬もおらず、無理にハナを切ったわけでもありませんでした。直線では外側に斜行したことについてM.デムーロ騎手は過怠金50,000円。被害馬は追いかけていた②番と⑧番。これだけ書くといろいろ恵まれたように思われるかもしれませんが、地力が問われるペースであったことは間違いなく、この結果は素直に評価していいでしょう。

 トップナイフは道中は中団の内めを追走。勝負どころで不利を受けたビキニボーイが下がってきたアオリを食らって位置取りが悪くなったのが悔やまれます。直線は内からよく伸びており、着差を考えると惜しい内容。この馬も平均ペースでの実績がありました。当時の時計は古馬2勝級と0秒3差でしたし、適性面もマッチしていたのでしょう。ヴェルテンベルクは中団の後ろで折り合いに専念。勝負どころで内から寄られる不利を受けましたが、そこから盛り返して③着。西村淳騎手も「具合が凄く良かったし、4角での不利がなければ、という内容でした」とコメント。

 シュタールヴィントは勝負どころで勝ち馬の外に出す時に他馬に迷惑(過怠金30,000円)をかけて、一連の不利を発生させる要因になりました。ただ、因果応報でしょうか、直線では逆に自分が寄られる不利。いいポジションで立ち回ってレース運びの巧さは発揮できましたが、最後の坂で疲れたのか外にモタれて脚が鈍りました。「距離はもう1ハロン短い方がベターかもしれません」と坂井瑠騎手。ナイトキャッスルは好位の外めを追走していましたが、勝負どころでは前に離され気味。それでも、直線は渋太く脚を使って掲示板は確保しました。

 1番人気と期待されたグランヴィノスは掲示板外に終わってしまいました。まずはキャリアの浅さが出た格好。これまでスローの瞬発力勝負一戦のみ。今回はまったくペースが違いました。また、不利こそ受けませんでしたが、今日の馬場で外々を回らされる競馬は厳しかったと思います。前半に力みもありました。ただ、初戦の脚、血統面からも素質の高さに疑う余地はなく、今回の一戦が今後の糧となれば。2番人気のコスモサガルマータは発馬ひと息で、いつものように後方から。勝負所で大外を回り、かなりロスのある競馬。全体に行きっぷりが悪く、弾けるシーンがありませんでした。「馬場がソフト過ぎた。メンコも合っていないのかも。終始スピードに欠けている感じだった」とムーア騎手。前回と違って、今回はパドックで最後尾を二人引きで回る形。力はありますが、気難しさがあるかもしれません。

text by 小林  

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