9月18日(月曜)に中山競馬場で行われた第77回GⅡセントライト記念(芝2200m・3歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はレーベンスティール(単勝2番人気)が優勝。管理する美浦・田中博康調教師、騎乗したJ.モレイラ騎手とも当レースは初勝利。尚、③着までに入ったレーベンスティール、ソールオリエンス、シャザーンには菊花賞の優先出走権が与えられる。レーベンスティールは北海道日高町広富牧場の生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 先手候補と目されたウィズユアドリームが好スタートを切りましたが、内からドゥラエレーデが行く構えを見せると、最初から2番手の競馬も想定していたようで、競り合いを避けてペースダウン。3ハロン目からは12秒台のラップが続き、ピッチが上がったのは3コーナーを回るあたりから。流れに乗れる機動力+速い上がりに対応できる瞬発力が求められる展開になりました。
【レース分析】 勝ったレーベンスティール(2番人気)はパドックでは2人引きでもイレ込むところまではいかず、それでいて闘志が前面に浮き出た抜群の気配。返し馬では少し掛からないか、と心配になるくらいでしたが、レースになると鞍上が巧みに折り合いをつけて、好位~中団の前あたりの内に位置。勝負どころでの手応えも十分で、4コーナーで馬群の外に持ち出すと先に動いた③着馬を捉え、坂下から更に加速して一気に抜け出しました。
「先週、金曜に美浦で乗せてもらい、その時からいい馬だと感じていたので、自信を持ってレースをしようと思っていました。GⅠでもチャンスがあると感じさせてくれる勝ち方で、今後、特別な馬になっていく可能性が非常に高いと思います」とレース後にJ.モレイラ騎手はコメント。仕上がり、レースぶりともに完璧でケチのつけようがなく、今後に向けては上積みがあるのかな、と思わせるくらいでしたが、高い潜在能力を実証できたことは間違いありません。次走が菊花賞だと距離などの課題はありますが、有力候補の1頭であることは確かでしょう。
②着のソールオリエンス(1番人気)は勝ち馬とは逆に、少しおとなしいくらい落ち着いた雰囲気でしたが、馬場入りした時には気合も乗って好仕上がり。スタートも互角でしたが、外枠だったので、出たなりで勝ち馬の2列くらい後ろに位置。こちらも折り合いは非常にスムーズでしたが、4コーナーで内から寄られる場面が。ここで前との差を詰められなかったことが結果に響きました。直線での伸び脚は勝ち馬と遜色なく、次に向けては十分な内容といえます。③着シャザーン(3番人気)は返し馬での歩様が少し硬めで、若干、休み明けを感じさせる気配。それでも、レースは勝ち馬と前後するポジションから一歩、先に動いて、スローの展開を考えれば立ち回りとしては理想的。今日のところは上位2頭に力負けの印象ですが、状態面、そして血統からにも次走以降に上がり目がありそうなので楽しみです。
④着セブンマジシャン(7番人気)は休み明けをひと叩きした効果もあってか、この馬としては勝負どころでの反応が機敏で、勝ち馬を追いかけるようにスパート。最後に突き放されましたが、自身はジワジワと伸びていましたし、内容には進境が窺えました。⑤着のキングズレインも後方待機から、内をショートカットするように追い上げた時の脚は目につきましたし、レースぶり自体は悪くありません。今回の形からホープフルS③着時の末脚を使えるようになれば、ひと皮剥けそうです。更に⑥着ウインオーディン(10番人気)も②着馬の後ろから動いて、一旦は置かれましたが、ゴール前では再び伸びていましたから、先につながるレースはできたと見ています。
text by 五十嵐 友二
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。