10月7日(土曜)に東京競馬場で行われた第9回GⅢサウジアラビアロイヤルカップ(芝1600m・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はゴンバデカーブース(単勝3番人気)が優勝。管理する美浦・堀宣行調教師は19年のサリオス以来、当レースは2勝目。騎乗した松山弘平騎手は初勝利となった。ゴンバデカーブースは北海道白老郡白老町白老ファームの生産馬。馬主は㈱G1レーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 ウインアクトゥールもスタートは良かったですが、すぐ外のレーヴジーニアルが行く構えを見せると2番手に引いて、前半3ハロンは34秒9と緩めの流れ。後半は34秒2、特にラストの2ハロンの数字は11秒2→11秒3と速い数字になり、手頃な頭数の2歳重賞でよく見られる、典型的な瞬発力勝負になりました。
【レース分析】 勝ったゴンバデカーブース(3番人気)は休養明けでも、体重は2キロ減で好仕上がり。自然体で逃げて押し切った初戦とは一転し、抑える競馬をしたので序盤は若干、行きたがりましたが、それほど鞍上が苦労するようなシーンはなく、早めに折り合って道中は最後方。3~4コーナーで軽く促しながら前に取り付くと、直線では外にともに膨らんだ2頭の内、先行集団の外を追い上げて徐々に加速し、そのまま脚勢が鈍ることなく、鮮やかに抜け出してきました。
「リズムを大事に乗せてもらって、あの形で差し切るのだから強かったです。最後方からは予想していませんでしたし、初戦は逃げて勝っていましたが、割と長く脚を使える馬だとは思っていました。強い馬もいる中で勝てて良かったです。距離については、まだこれからだと思いますが、今回は末脚が凄かったですし、いろんな競馬のパターンができてレースも上手ですからね。これからが楽しみです」とレース後に松山騎手はコメント。確かに今回の位置取りは想定外だったでしょうが、鞍上がリズムを重視したこともあり、他の有力馬より早めに折り合えたことが最大の勝因。現時点の完成度の差が出たとも言えます。今後は馬体面も含めた成長度がポイントになりそうですが、速い上がりを差し切った瞬発力は非凡ですし、更にスケールアップすることも可能な素材であることは確かでしょう。
②着ボンドガール(1番人気)は8キロ増で、少し牝馬にしては立派な馬体。レースでも前半は口を割るなど、折り合いに苦労していました。それでも、最後まで脚を伸ばして3頭による追い比べを制して連対を確保。まだ、粗削りで気性面の成長が必要ですが、それだけに賞金を加算したことにより、今後のローテーションなどに余裕ができたことは大きいですね。③着シュトラウス(2番人気)は上位人気馬の中で最も行きたがる感じが強く、先団の直後に位置することになりましたが、さすがにC.ルメール騎手で馬群の内につけて折り合い、レースの形を崩しませんでした。今後に向けての伸びしろも大きそうですが、気性や血統面を考えると、やはりマイラータイプと見ていいでしょう。
④着のレーヴジーニアル(4番人気)はスロー逃げで力を出し切った印象ですが、未勝利勝ちが道悪の札幌でしたから、時計の速い馬場に対応できた点は収穫。舞台は問わないタイプのようです。この馬から3馬身以上の差をつけられた後続も今回の経験が糧になれば、1勝クラスなら巻き返す可能性はありますし、特に距離短縮やダートなど、条件を替えてきた時には注意したいですね。
text by 五十嵐 友二
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