3月16日(土曜)に中山競馬場で第38回GⅢフラワーC(芝1800m・3歳・牝馬・馬齢重量・晴れ・良馬場)が行われた。優勝したのは単勝2番人気に支持されたミアネーロ。管理する美浦・林徹調教師、騎乗した津村明秀騎手ともにフラワーCは初勝利。ミアネーロは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 先手候補の特定しにくい組み合わせでしたが、互角のスタートからエルフストラックが気合をつけてハナを主張。他馬は競りを避けて1コーナーに入る時には後続も隊列が決まりましたが、3ハロン目以降も12秒前後のラップが続いて、典型的な平均ペース。勝負どころからも流れに変化はなかったので、脚質による有利、不利はなく、スムーズに馬群を捌ければ各馬が力を発揮できる地力勝負となりました。
【レース分析】 勝ったミアネーロ(2番人気)は前走から約2カ月の間隔がありましたが、6キロ減の体重ですっきりとした体つき。レースでは互角のスタートから中団の内でジッと動かず、勝負どころからも内を通って、スムーズに進路も開いたので、直線で鮮やかに抜け出してきました。
「前走は乗れませんでしたが、また、手綱を託されたので、嬉しい気持ちと感謝の気持ちで、絶対に勝ちたいと思ってレースに臨みました。普段から調教に乗っていて、新馬の時より格段に良くなっていると感じていたので、自信を持っていました。競馬に行くまでのテンションが難しい馬で、何とかレースまでに落ち着いてほしいと思っていましたから、発走時間が遅くなって、却って落ち着いてくれたのも良かったです。今日の馬場傾向を見ると内が残っていたので、外に出さず内にこだわり、手応えは抜群でしたが、先頭に立つとフラフラしたように、ちょっと幼ないところがありますね。それでも、競馬の乗りやすさは優秀なので、この馬と大きなところを狙いたいです」とレース後に津村騎手はコメント。課題だったスタートが決まり、前走と違って直線もスムーズに進路ができたことが最大の勝因ですが、それが可能になった馬の操縦性の向上も見逃せませんし、走破時計も3歳重賞の水準レベル。次のレース選択を分かりませんが、そこでも注目できる存在になったことは確かでしょう。
②着ホーエリート(8番人気)は内を突いた勝ち馬とは対照的に、勝負どころから馬群の外を追い上げる形。それでも、直線の坂下あたりで再びエンジンがかかると最後まで伸びて、連対を確保しました。器用さに欠ける印象でも長く脚を使っています。まだ、スローからの瞬発力比べに課題は残りますが、控える形で持久力勝負になれば、次走以降も台頭が期待できそうです。なお、①②着馬の研究ニュース能力表の前走のレース寸評は直不利と前塞るで、そのレースで力を出し切れなかったことを示すもの。このパターンの馬の次走は要注意だと改めて思わされました。
1番人気に支持されていたカンティアーモは③着。こちらは発馬でアオり、勝負どころでも②着馬の内で少し窮屈な感じに。それでも、内に進路を変更すると鋭く脚を伸ばしました。14キロ増の馬体も太め感はありませんでしたし、賞金加算はなりませんでしたが、広いコースの方が良さそうな印象も。オークスのTRレースに出てくれば見直しが必要でしょう。また、自分が当日版の紙面で◎にしたラビットアイ(4番人気)は④着。好スタートを切ったので積極策もあるか、と思いましたが、控える形で待機策を選択。外を回らず、内を突いたので上がりの数字はメンバー最速になりましたが、スパッと切れる印象はなく、馬券圏内には届きませんでした。本来は自在性を備えている馬ですし、差す形だと決め手強化が課題でも、長い目で見たい素材だと考えています。
text by 五十嵐 友二
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。