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第60回 函館記念 回顧

 

 

 7月14日(日曜)に函館競馬場で行われたサマー2000シリーズ第2戦第60回GⅢ函館記念(芝2000m・3歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は3番人気に支持されたホウオウビスケッツが優勝。管理する美浦・奥村武調教師は函館記念は初勝利。騎乗した岩田康誠騎手は通算2勝目となった。ホウオウビスケッツは北海道新ひだか町岡田スタッドの生産馬。馬主は小笹芳央さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 スタートは互角でも内のアウスヴァールが行く構えを見せたので、外のホウオウビスケッツは競りを避けるように2番手の競馬を選択。3ハロン目から最後まで11秒8~12秒2の範囲のラップが並ぶ平均ペースになりましたが、前が1頭で少し後続を離したので2番手の位置で少し緩め、更に3番手以降は実質、スローとなり、外を回った差し、追い込み型には厳しい展開になりました。

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったホウオウビスケッツ(3番人気)は中間の気配が良く映り、巴賞を勝ったあとも疲れなどは微塵も感じられない仕上がり状態。鞍上は最初から2番手の競馬を想定していたようで、序盤から最後まで危なげのないレースぶり。早めのスパートで後続へのアドバンテージを築き、最後まで脚いろが乱れることもありませんでした

 

 

 

 「本当に函館に来て良かったです。前回の巴賞は賞金加算のために取りこぼせないレースでしたが、今日は1頭行く馬がいると分かっていたので、その後ろでと決めていました。気がいい馬ですが、何とか2角過ぎには落ち着いてくれました。最終週ですが、本当に馬場が良くて走りやすかったですし、セーフティーリードを取って、後続に脚を使わせるレースができたのは良かったです。2連勝して皐月賞やダービーにも出た馬。いい馬だと思っていましたし、もっと大きな舞台にいけると思っていたので、依頼してもらって感謝しかありません」とレース後に岩田康誠騎手はコメント。スムーズに力を出せば距離延長はまったく問題ないと考え、巴賞の好走馬が当レースでは振るわないデータは承知の上で本紙の◎に指名。前回より長くなるスタートから1角までのスタンド前で、控える形になった際やファンの声援への対処だけが気になりましたが、鞍上は2角過ぎに落ち着いたとのコメントでも、見た目には2番手でも序盤の行きたがる面は前走よりはかなりマシ。さすがにベテランジョッキーの継続騎乗、と感じた時には単勝馬券の的中を確信できるくらいでした。東京コースのダービー、東京新聞杯でも健闘している馬ですから、洋芝&滞在競馬だけが函館で連勝した要因とは思えませんし、今後の活躍が更に楽しみになりました。

 

 

ホウオウビスケッツの4代血統表

 

 

 ②着は中団から上手に馬群を捌いて進出したグランディア(4番人気)。この馬も距離延長は問題ないと思っていましたが、予想をつけた段階では道悪の可能性もある天気予報だったのと、もう少し位置取りが後ろでは、と見込んで無印にしてしまったのが痛恨。枠順を見た時から嫌な予感はしていましたが、うまく機動力を生かした立ち回りには脱帽です。勿論、重賞を勝てる能力は改めて示しました。③着アウスヴァール(14番人気)も行き切れれば健闘して不思議のない存在でしたし、今回の展開を事前に読み切れず、印をつけなかったのは自分のミス。鞍上のペースメイクも絶妙でしたし、今後も同型との兼ね合い次第では、重賞でも侮れない存在になりそうです。

 

 

展開などを考えると負けて強しの競馬をしたと思えるのが1番人気で④着のサヴォーナ。昨年、秋の神戸新聞杯は好位の内で上手なレース運びができていましたが、阪神の外回りと小回り2000mでは勝手が違ったようで、最後は馬群の大外から脚を伸ばす形。最内枠がアダになり、流れに乗れない競馬で②着と0秒1差ですから、やはりGⅢでは地力上位ですね。他で少し惜しい内容だったなと感じたのが⑦着のサンストックトン(⑨人気)で、スタートが今ひとつの上に、直線でも馬群を捌くのに手間取っていました。引き続きハンデGⅢやオープン特別で、スムーズな競馬ができれば見直せるでしょう。2番人気で⑩着のトップナイフも勝ち馬の後ろから見せ場を作りましたが、いかにも休み明けで息切れしたという止まり方。叩いた次走が真価を問う場になりそうです。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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