8月25日(日曜)に新潟競馬場で行われた第44回GⅢ新潟2歳S(芝1600m・2歳・馬齢重量・曇り・良馬場)は6番人気だったトータルクラリティが優勝。管理する栗東・池添学調教師、騎乗した北村友一騎手とも新潟2歳Sは初勝利。トータルクラリティは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 主導権を握ったのはシンフォーエバー。スリールミニョンを交わして先頭に躍り出ました。4ハロン通過は47秒7。スタートから4ハロン目には12秒7というラップが出現したように、シンフォーエバーはしっかりと息も入っていたはず。それでも、超の付くスローだったデビュー戦とは流れが異なったこともあってか粘りを欠きました。
【レース分析】 トータルクラリティ(6番人気)がデビュー戦の舞台に選んだのは京都内回り1600m。能力の片鱗を示す勝ちっぷりではありましたが、左回り、そして長い直線も未体験ということもあって6番人気の評価にとどまりました。一瞬の切れよりも長く最後まで脚が使えるのが長所。その点を理解している北村友一騎手はライバルを待たずに仕掛けて残り2ハロン付近で先頭に立ちます。そこから内にモタれてしまい、一旦、先頭を譲る形になりましたが、立て直すと伸び返して半馬身差をつけてゴール。直線に向いてから真っ直ぐ走れていたなら完勝だったことでしょう。
「返し馬でのテンションが高い馬なので、レースではどこで抜いて走れるかだと思っていました。スタートが凄く良かったですし、ちょうどいいところで折り合いがつきました。あとは瞬発力比べよりは、渋太さを生かすタイプなので、自分から動いていく形でレースをしました。フットワークがいいですし、これからテンションが大人になればもっと走れるようになると思います」とレース後に北村友一騎手はコメント。乗り手を選ばず、脚は使えるでしょうが、勝ち切るとなると仕掛けるタイミングなどひと工夫が重要。それだけに継続騎乗が望ましく、名コンビとして先に待つ暮れのGⅠへ駒を進めてほしいところです。
コートアリシアン(1番人気)はパドックで気負うことなく周回。懸念されたレース前の消耗は回避できました。しかし、レースでは道中でかなり行きたがるシーン。リズムが整わず、さすがに厳しいかと見ていましたが、直線に入って促すと鋭く伸びて一旦は先頭に立つシーン。結果的に敗れましたが、ポテンシャルの高さは示した形。気性が大人になってくれば重賞タイトルに手が届くでしょう。
プロクレイア(5番人気)はパドックに入ってきた当初はひとりで引かれていましたが、途中から2人引きに。極端にテンションが上がることはありませんでした。直線に向いて捌きづらくなって外へ切り替えるロスはありましたが、③着まで押し上げてきました。上位2頭には完敗でも位置取り、コース取りを考慮すれば評価できます。④着マジカルフェアリー(7番人気)は直線勝負に徹する形。初めての左回りに対応して脚を伸ばしてきました。ジョリーレーヌ(4番人気)は活気があって気配の良さが目立った1頭。残り1ハロン付近から伸びが鈍ったあたり、もう少し短い距離に適性があるのかもしれません。
text by 藤原 有貴
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