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第60回 新潟記念 回顧

 

 

 9月1日(日曜)に新潟競馬場で行われた第60回GⅢ新潟記念(芝2000m・3歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は8番人気だったシンリョクカが優勝。管理する美浦・竹内正洋調教師、騎乗した木幡初也騎手ともJRA重賞は初勝利。シンリョクカは北海道日高町下河辺牧場の生産馬。馬主は由井健太郎さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

ライトバックは競走除外に

 

 

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【展開・ペース】 先手候補と目されたアリスヴェリテがスタート後、ジワッと加速してハナに立ちました。1000m通過は58秒9の平均ペース。途中から後続を引き離していい逃げを打つことはできたのですが、馬場の内側が傷んでおり、ラチを頼れず。直線半ばで粘り切れずに後退しました。

 

 

 

【レース分析】 シンリョクカ(8番人気)は馬体に無駄がなく、身体を柔らかく使えていましたね。落馬競走中止明けの一戦だったわけですが、うまく持ち直せていたように映りました。好スタートを決めると、リスヴェリテを行かせて離れた2番手を追走。平均ペースだったことを考慮すると絶好のポジショニングでした。直線に向くと前を走るアリスヴェリテを目標に間合いを詰め、最後は後続の追い上げを退けて念願の重賞タイトルを獲得。鞍上の好騎乗も光りました。

 

 

 

 「いいところにつけることができて、ペースが落ち着いてくれましたからね。最後まで気を抜かずに走ってくれればと思っていましたが、前半で脚を温存できていた分、ラストの場面でも頑張ってくれました。まだ完璧な状態というわけではありませんでしたけど、しっかりと戦えて良かったです。負けん気が強く、狭いところでもタフな馬場でも能力を発揮できるところが長所ですね」とレース後に木幡初也騎手はコメント。もともと2歳時の阪神JFではリバティアイランド相手に②着があったように早い時期から素質を示していたシンリョクカ。新馬戦以来となる待望の2勝目を新潟記念で挙げることができました。木幡初也騎手、竹内正洋厩舎にとっても初めての重賞制覇。以前よりも操縦性が向上し、今はある程度、前の位置を取っても最後まで脚が使えるようになっています。勢いに乗って更にタイトルを上乗せすることも十分可能でしょう。

 

 

シンリョクカの4代血統表

 

 

 セレシオン(3番人気)は少しうるさい面を見せていましたが、気力は旺盛、馬体が締まって上積みが感じられました。出脚が鈍く、後方待機策。終い勝負に賭け、馬場の中ほどを突いてメンバー最速の上がりを使いましたが、僅かに届きませんでした。キングズパレス(1番人気)は馬体が逞しく、ハツラツとした動きで周回。毛ヅヤも冴え、デキは文句ありませんでした。中団追走から直線では見せ場を作ったものの、もともと勝ち味の遅いタイプ。モタれる面はそれほど見せてはいなかったものの、もうひと伸びができませんでした。

 

 

 

ゴールドプリンセス(7番人気)は2人引きでも落ち着きがあり、スムーズな脚捌き。いい状態で出走することができたのではないでしょうか。馬群が縦長になり、3番手を追走。いいポジションで運べて脚も使えました。春の天皇賞に参戦したこともいい経験になったようですし、力をつけています。レッドラディエンス(2番人気)は少しうるさかったですが、覇気が感じられ、体に太め感もありませんでした。離れた2番手以降はスローペースでしたから、後方を進んだ分、位置取りの差も出た印象。ただ、それ以上に58.5キロのハンデが影響したように感じました。ライトバック(競走除外)はパドックでオークス当時よりうるさくて判断に迷いました。もともとテンションの高いタイプですから、それでも、大丈夫だろうと思ったのですが・・・放馬して外ラチにぶつかり、競走除外に。人馬ともに大きな怪我がなかったとのことで安堵しました。ポテンシャルの高さは実績が示す通り。立て直され、次走に期待します。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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