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第59回 京都大賞典 回顧

 

 

2024年10月6日(日) 5回京都2日

 1000m通過58秒7は阪神開催を含めた過去10年で最も速い。向正面の坂で12秒8とひと息入り、そこから京都特有のラスト4ハロンのロングスパート戦。コースレコードに0秒3差まで迫る高速決着となった。レースは外枠のバビットが前に行くが、内からケイアイサンデラが抵抗。最初のスタンド前で2頭が後続を引き離す。向正面ではケイアイサンデラが大逃げの形になり、タテ長の展開に。勝ったシュヴァリエローズは第3グループの先頭。このあたりになるとペースはそこまで速くなく、「もう少し前で運びたかったのですが、1歩目が出られず、ペースも流れていたのでリズム重視で」と北村友騎手。残り600mを過ぎて馬群は一気に凝縮。ゴール寸前でディープボンドを捉えたシュヴァリエローズが重賞初制覇。距離を延ばしてから尻上がりに良くなっており、ステイヤーとしての資質が開花しつつある。

 2着ディープボンドは向正面でバビットを吸収した第2グループで追走。例によって手綱をしごきながら、向正面の坂の上りでジワジワと先頭との差を詰めて、残り800mで取り付いた。最後は逃げ馬や他の第2グループの馬が失速するなか残り1ハロンで先頭に立ち、あと少しといった内容。「悔しいです。衰えてはいません」と幸騎手が話す通り、強い競馬をしている。メイショウブレゲは後方、スマートファントムは最後方から。ともにコーナーをロスなく運べた。メイショウブレゲは4角で外へ。少しゴチャついたが、前が開いてからの伸びは上々。逆にスマートファントムは4角でインを突く、うまい立ち回り。上がりはレース最速。両者とも上位2位に比べると展開面の恩恵があった。末脚勝負型だけに今後も展開次第。

 2番人気のサトノグランツは道中、勝ち馬とほぼ併走する形。残り1ハロン付近では僅かに勝ち馬より前に出ていたが、最後に突き放された。重賞での2勝はともにスローの瞬発力勝負。今日はちょっとタフな展開になってしまったか。1番人気のブローザホーンは競馬に参加することなく、殿負け。「今回は追い切りから体がついてこない感じで、競馬に行って変わってくれればと思っていましたが……」と菅原騎手。59㎏を背負っていたとはいえ、ちょっと負け過ぎだが、最後はもう無理をしていなかった。実績は文句なしなので、また改めて。

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。