11月10日(日曜)に福島競馬場で行われた第60回GⅢ福島記念(芝2000m・3歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は7番人気のアラタが優勝。管理する美浦・和田勇介調教師、騎乗した大野拓弥騎手ともに当レースは初勝利。アラタは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は村田能光さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 大方の予想とおりウインシュクランがスタンド前のうちにハナに立ちましたが、同枠のギャラクシーナイトなども差がなく続き、序盤の入りは3ハロン通過34秒8と速め。その後も12秒台前半のラップが続いてペースが緩んだ区間はなく、レース上がりは37秒2を要して、消耗戦に強い末脚勝負型に向く展開となりました

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったアラタ(7番人気)はスタートが今ひとつだったこともあり、腹を括ったように後方待機。それでも、枠順なりに前半は馬場の内めを通ってロスを最小限に抑え、外めに持ち出してスパート態勢に入ったのは3コーナー手前あたりから。うまく先に仕掛けた⑤着馬を目標に進出するような形になり、そのまま最後まで脚勢が鈍ることはなく、長く脚を使って差し切り勝ちを決めました

 

 

 

 

 「先行するつもりでしたが、思っていたよりもペースが速くて、あの位置からなりました。それでも、アラタ自身のリズムは良かったですし、トップハンデを背負って、外を回ったことを思えば、強い競馬でした。またチャンスをいただけたことに感謝しながら感謝しながら騎乗しましたし、過去2回は期待を裏切る結果になってしまっていたので、結果を残せて嬉しく思いますとレース後に大野騎手はコメント。21、22年の当レース③着馬で、4歳春から4連勝した時の鞍上が大野騎手だったことも戦前から承知していたのに、トップハンデなどを考慮して、無印にしてしまったことは悔やまれますが、結果的に出負けがプラスに出る展開になったとはいえ、長く脚を使える持ち味を生かし切った鞍上のエスコートは見事。コースやジョッキーとの相性は大事だな、と改めて思わされました

 

 

アラタの4代血統表

 

 

 ②着フェアエールング(6番人気)は互角のスタートから下げて、中団の後ろめで内に収まる形。この日の丹内騎手は他のレースでもインを立ち回って勝ち鞍を挙げていたこともあり、他馬が動いた時も我慢して、直線で馬群がバラけるのを待って進路を確保すると、最後までしっかりと脚を伸ばしました。勿論、52キロのハンデや荒れた馬場を苦にしない強みも好走できた要因ですが、例年、内枠を引いた馬が活躍するレースであることを実感したことが第一印象です。③着が本紙で◎にしていたダンディズム(3番人気)。発馬の出遅れや後方の位置取りは想定内で、向正面からジワッとポジションを上げたのも期待通り。三浦騎手も結果的に早仕掛けになった七夕賞④着を踏まえた立ち回りをしていると感じましたが、少し残念だったのは勝負どころから⑤着馬が仕掛けてきて、若干、早めに動かされたこと。それでも、渋太い走りで馬券圏内は確保してくれましたし、本命にしたことに後悔はありません。高齢馬ですが、どこかでもうひと花、の期待も抱かせてくれる内容だったと思います。

 

 

 

 

 ④着クリノプレミアム(10番人気)は2~3番手の内につけて手応え十分。一旦は抜け出すシーンがあって、じっくりと立て直された効果をはっきりと示しました。この馬も内枠が味方したことは確かですが、7歳牝馬でも地力健在をアピールしましたね。待機策から外々を進出して⑤着のショウナンマグマ(12番人気)も見せ場たっぷりで、消耗戦の流れを考慮すれば評価できる内容。今までの好走時より、後ろの位置から運んでの健闘も収穫といえます。一方、1番人気のドクタードリトルは⑦着。中団の馬群の中で手応えは悪くありませんでしたが、勝負どころから前をスムーズに捌けず、アクセルを踏み遅れるような形に。最後は伸びていたので力負けではなく、中距離向きでも理想は広いコースかも、という印象も持ちました。2番人気で⑩着のフライライクバードも鞍上が「右回りは合わなかったです」と鞍上がコメントしていましたから、ともに舞台設定が替われば、見直しが必要でしょう。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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