4月12日(土曜)に中山競馬場で行われた第43回GⅡニュージーランドトロフィー(芝1600m・3歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はイミグラントソングが優勝。管理する美浦・辻哲英調教師、騎乗した石川裕紀人騎手ともに当レースは初勝利。この結果、イミグラントソングアドマイヤズームコートアリシアンがNHKマイルカップの優先出走権を獲得した。イミグラントソングは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は吉田勝己さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを決めたベイビーキッスが短距離で勝ち上がってきた馬らしく一気に先制。ルージュラナキラが気合をつけて2番手で続き、2~4ハロン目が速いラップになりましたが、前が飛ばす形で好位から後ろは平均的な流れ。必然的にラスト2ハロンの数字も速くなり、前めにつけた馬にはスピードの持続力、差しタイプには決め手の鋭さが要求される展開になりました。

 

 

 

【レース分析】 勝ったイミグラントソング(2番人気)はスタートが今ひとつでも慌てるような様子はなく、馬任せの追走で前半は中団の後ろに位置。5ハロン通過あたりから追い上げ態勢に入った時の手応えも十分で、すぐ前にいた④着馬を追うように進出して、直線入り口では前を射程圏に入れる形。終始、馬群の外を回っていましたが、鞍上が本格的に追い出してからも脚勢は乱れず、先に抜け出した②着馬をゴール前できっちりと捉えました。

 

 

「馬がよく頑張ってくれました。前走は人気を裏切る形になってしまいましたが、継続して乗せていただいたので、その反省を生かして乗ろうと思っていました。まだ、これからの馬ですが、現時点でも状態は良かったですね。スピードに乗せてからも持続できますし、個人的には中山のコース形態が合っていると思いますが、東京でもそれを生かせればとレース後に石川裕紀人騎手はコメント。2走前に同じ舞台のひいらぎ賞②着のタイムが優秀で、その時だけ走れればと考えて自分は当日版で◎にしていましたが、ペースは違いますが、今回はその時の数字を0秒1だけ縮めた形に。但し、レース上がりを1秒6も上回る末脚はインパクト十分でしたし、東京で未勝利を勝った時の上がりも優秀ですから、脚の使い方次第ではコース替わりにも対応は可能でしょう。本番のNHKマイルCでも有力候補だと考えています。

 

イミグラントソングの4代血統表

 

②着アドマイヤズーム(1番人気)は年明け緒戦+初遠征で体重が8キロ増。次を見据えた仕上げとしては丁度いいと思わせました。レースも好位追走から直線で抜け出しを図る正攻法の競馬をして、ゴール寸前で差されはしましたが、初めての長距離輸送をクリアして、非常にスムーズなレース運びができました。着順を除けば前哨戦としては申し分のない内容で、あとは未経験の左回りだけが、本番への課題といったところでしょうか。

 

 

大接戦になった③着争いはコートアリシオン(5番人気)がハナ差で先着。鞍上は枠順的に馬場の悪い内を通ることになったことを悔やんでいましたが、課題のスタートを決めて、自然体で運べて中団の内から伸びてきた点は収穫。あとは今回の体重が過去最低タイでしたから、もう少し馬体がふっくらすれば、本番でもマークが必要になりそうです。惜しくも出走権を逃した④着プリティディーヴァ(3番人気)は直線で①②着馬の間に進路を向けて、外から押し込まれるような形になって、そこを突けなかったのが痛かったですが、それでも、勝負どころからの手応えは勝ち馬と比べると劣勢。スムーズでも③着までかな、といった印象でした。現状はもう少し短い距離の方が切れる脚を使えそうですね。重賞で坂越えのマイルをこなすには、ワンステップの成長が必要だと見ています。

 

 

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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