4月20日(日曜)に福島競馬場で行われた第22回GⅢ福島牝馬S(芝1800m・4歳以上・牝馬・別定・曇り・良馬場)は1番人気に支持されたアドマイヤマツリが優勝。管理する美浦・宮田敬介調教師、騎乗した田辺裕信騎手とも当レースは初勝利。この結果、アドマイヤマツリはヴィクトリアマイルの優先出走権を獲得した。アドマイヤマツリは北海道日高町スマイルファームの生産馬。馬主は近藤旬子さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

ラズベリームースは競走中止

 

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【展開・ペース】 逃げ候補と思われる馬が点在していた割に主導権争いは激しくならず、気合をつけて前に出たアマイも外枠から好スタートを決めたアスコルティアーモがハナを主張すると、1コーナー手前では競りを避けて2番手の内に引く形に。4ハロン通過が47秒2に対し、後半は47秒0ですから、典型的な平均ペースになりましたが、この日の芝コースは全体的に内を通った馬が有利。このレースも馬群の外を回った馬は分が悪く、内で立ち回れる器用さ、機動力+決め手の鋭さが要求される展開になりました

 

 

【レース分析】 勝ったアドマイヤマツリ(1番人気)は互角のスタートから中団の前で最内にポジションを確保し、折り合いなども非常にスムーズ。向正面に入ると自然体で前が見えるところまで位置を上げ、鞍上が本格的にスパート態勢に入ったのは3コーナーあたりから。直線に入ると先行両馬の外に持ち出し、手応え通りに伸びて抜け出すと、後続にも付け入る隙を与えませんでした。

 

 

「前走から乗せてもらって、凄くいい雰囲気で勝つことができました。何頭か先手を主張したい馬がいましたが、控え過ぎず、流れに乗って良かったと思います。手応え良く回ってくることができました。最近は調教から良くて、成長力がありますねとレース後に田辺裕信騎手はコメント。これで出身地である福島の重賞レースを完全制覇となった鞍上のエスコートも完璧でしたが、馬自身も昇級緒戦が初めての重賞挑戦で後続に2馬身差ですから、まさに充実一途。特にレースに行ってのセンスの良さ、立ち回りの巧さは特筆できます。出走権を獲たヴィクトリアマイルに進むと相手関係が鍵になりますが、初めての1600mを苦にするとは思えませんし、東京コースにも良績がありますから、少なくとも大波乱となった昨年と同レベルのメンバー構成なら、上位候補と見ていいでしょう。

 

アドマイヤマツリの4代血統表

 

②着フェアエールング(6番人気)は序盤から急流だと1800mへの対応が鍵になると見ていましたが、平均ペースになったこともあり、無理なく勝ち馬の少し後ろに位置。勝負どころでは反応の差が出て、少し置かれましたが、直線では内を捌いて連対圏に突入。こちらも近況の良さを生かした感じですが、やはりベストは2000mかな、という印象も持ちました。③着のフィールシンパシー(8番人気)も内枠を生かし、上位馬と同じような立ち回りから一瞬の鋭さを発揮しての結果。機動力を生かす競馬が合っていますね。

 

 

④着アリスヴェリテ(9番人気)は鞍上が当初から控える競馬を考えていたようで、好位から直線でもジワジワ伸びていましたが、逃げた時のパフォーマンスと比べると、若干、インパクトに欠ける感も。新味が出たかは次走以降を見てから判断したいと考えています。むしろ、先に向けて注目したいのは⑤着のシンリョクカ(5番人気)で、枠順もあって少し位置取りが後ろになり、その後も終始、馬群の外を回る形に。それでもゴール前の伸びは目につきましたし、勝ち馬は別格としても、②着以下とは互角の内容と評価してもいいでしょう。一方で本紙の◎に期待していたホーエリート(2番人気)は⑫着。消耗戦を予想していたので当てが外れた感じですが、福島コースを意識してか少し前めに位置して、結果的に外を回ることになったことになった影響もありそうです。直線に急坂のある中山なら1800mでも問題はありませんが、本質的にはじっくり構えられる2000m以上の方が向いていそうな印象が残りました。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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