
4月20日(日曜)に中山競馬場で行われた第85回GⅠ皐月賞(芝2000m・3歳・馬齢重量・曇り・良馬場)はミュージアムマイルが優勝。管理する栗東・高柳大輔調教師、騎乗したJ.モレイラ騎手ともに当レースは初勝利。ミュージアムマイルは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。

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【展開・ペース】 ピコチャンブラックがハナを主張し、ジュタも積極策。テンの入りはやや速かったですが、3ハロン目から12秒台に落ちて1000m通過59秒3。この日の馬場を考慮すれば遅い流れでしたが、ファウストラーゼンが向正面で後方から動いて一気にペースが上がりました。結果的に後方勢に有利な展開に。また、いたるところで不利があり、タフでシビアなレースになりましたし、やっぱり皐月賞はひと筋縄ではいきませんね。

【レース分析】 ミュージアムマイル(3番人気)はディープインパクト記念が余裕を残した体つき。今回は本番仕様でグッと輪郭が締まり、2人引きでも落ち着きがありました。レース序盤はクロワデュノールをマーク。向正面でファウストラーゼンが動くと、内から寄られて不利を受けましたが、脚をためてじっと我慢。4コーナーでスムーズに外へ持ち出し、弾けるように突き抜けました。J.モレイラ騎手の手腕も見事だったわけですが、今回のようにタイムの速い皐月賞では昔からマイラーの台頭が目立ちますね。朝日杯FS②着のスピードが生きました。

「本当にいい馬です。最後に瞬発力を見せてくれたのですが、道中でいろんな課題があってスムーズな展開とはいかなかったです。それでも、最後は素晴らしい脚で勝利を勝ち取ることができました。厩舎サイドを含めて関係者に感謝しています。状態は凄く良かったです。パドックで乗った瞬間に力強さを感じましたので自信を持って競馬ができました。素晴らしい馬ですが、更に特別な馬になるかもしれません。精神的にも良かったし、レース中も手応えは良かったので距離は400m延びても問題ないでしょう」とレース後にJ.モレイラ騎手はコメント。確かに、展開が向いた側面はありましたが、3歳緒戦を叩かれて鮮やかに一変。2015年以降、皐月賞馬の日本ダービー優勝はドゥラメンテ、コントレイルの2例だけ。2冠達成を目指し、最有力候補として日本ダービーに進みます。

▲ミュージアムマイルの4代血統表
クロワデュノール(1番人気)は昨年暮れ以来の実戦。日本ダービーを見据えた仕上げに映りましたが、堂々と落ち着きがあって、身のこなしは滑らか。9分以上の状態にあったと思います。1コーナーで4番手を取り、外から被せられないように細心の注意を払っていましたが、正攻法でなし崩しに脚を使う形に。そこを見逃さずに間隙を突いたJ.モレイラ騎手の騎乗は素晴らしく、クロワデュノール自身も能力の高さは示しました。マスカレードボール(4番人気)は前回からパドックでホライゾネットを着用。テンションが上がらず、体に無駄肉がなく、シャープな脚捌き。気配は良かったですね。スタート後、1コーナーの手前でエリキングとポジションを取り合って接触する不利。結局、後方に控えて終い勝負に賭けるしかありませんでした。ゴール前は目立つ伸び脚で③着まで追い上げており、走りのスムーズな左回りに替わる日本ダービーが楽しみです。

ジョバンニ(7番人気)は少しうるさいくらいで気力旺盛。馬体をスカッと見せてホープフル以上のデキと感じました。クロワデュノールをマークするポジションは取れましたが、向正面で内から張り出した馬と接触し、ポジションが後退。直線は盛り返すように脚を使っていますから不利が痛かったですね。サトノシャイニング(2番人気)は前走より馬体が締まり、可動域も大きくなって申し分のない仕上がりでした。1コーナー、向正面と不利がありながらも⑤着に健闘。外枠に入った点も厳しかったですね。日本ダービーでの巻き返しを期待したいところです。
text by 京増 真臣

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