5月11日(日曜)に東京競馬場で行われた第30回GⅠNHKマイルC(芝1600m・3歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)は9番人気のパンジャタワーが優勝。管理する栗東・橋口慎介調教師、騎乗した松山弘平騎手とも当レースは初勝利となった。パンジャタワーは北海道新ひだか町チャンピオンズファームの生産馬。馬主は(株)DeepcCreek

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 確たる逃げ馬が見当たらず、それほどペースが上がらないと考えていました。しかし、スタート後、すぐに隊列が決まらず、ゲートの出が良かった馬たちが雁行状態となって速いラップが連続。前半4ハロン通過は44秒6の超ハイペースとなりました。能力の接近した一戦でしたから展開が波乱を演出しました。

 

 

【レース分析】 パンジャタワー(9番人気)は父タワーオブロンドン似の逞しい体の造り。脚捌きも力強いですね。前回よりも馬体が締まり、今季2戦目できっちり仕上がっていました。ハイペースで馬群が縦長になり、絶好のポジショニング。スピードを削がないように外を回った鞍上の判断も勝因のひとつでしょう。一気に突き抜け、最後は熾烈な追い比べを制しました。

 

 

「ポジションにはこだわっていませんでしたが、スタートを上手に出てくれてリズム良く走らせることができました。東京で重賞を勝っている馬ですし、ラストで脚を引き出すことを心掛けました。成長の余地があるので、今後の活躍も楽しみですとレース後に松山弘平騎手はコメント。中間の追い切りではエプソムカップを制したセイウンハーデスに追走先着。素晴らしい状態でレースを迎えることができました。確かに展開が向いた面はありますが、残り300m付近で先頭に立ち、後続の追い上げを凌いだレース運びも立派です。

 

パンジャタワーの4代血統表

 

マジックサンズ(3番人気)は中2週のローテーションでもテンションが上がらず、身のこなしは滑らかでした。馬体も締まって上積みは大きかったですね。本馬場入場の際は若さを見せており、出負けし、後方2番手を追走。結果的にうまく展開が向いた格好。とはいえ、ロスを抑えて内ラチ沿いを進み、最大限に鋭さを引き出した武豊騎手の手腕も光りました。僅かに競り負けましたが、能力の高さを存分に示しました。チェルビアット(12番人気)はやや細身でテンションは高め。あまりパドックでは良く見せませんでしたが、パンジャタワーと同じようなポジションに陣取り、展開の恩恵がありました。直線は馬群を捌きながら脚を伸ばして惜敗の③着。タフなコンディションだった桜花賞を戦っての東京遠征でしたが、力を出せる状態に仕上げた陣営も見事です。

 

 

④着モンドデラモーレ(6番人気)はテンションが上がらず、ハツラツとした周回。気配は良かったですね。4コーナーでスムーズに外へ持ち出し、直線で先頭を窺って見せ場は十分。最後は僅かに遅れを取りましたが、完璧な立ち回りでした。ランスオブカオス(4番人気)はパドックでは途中から1人で引いていましたが、テンションが上がっておらず、柔らかい身のこなし。スタート後はハナを切るような格好から好位に控えたけど、ハイペースに巻き込まれてテンに脚を使ってしまいました。その点を考慮すれば⑤着は立派です。イミグラントソング(2番人気)は無駄肉のない造りで、シャープなフットワークアドマイヤズームをマークするポジションを取れました、速いペースを追いかけたことで直線では失速。前走のような競馬ならここまで着順を落としていなかったでしょうが、これは勝ちにいった結果なので仕方がありません。1番人気アドマイヤズームは⑭着。向正面で隣の馬と接触し、エキサイト。ハイペースにも巻き込まれ、更に落鉄もあったとのこと。力を出し切れませんでした。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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