5月18日(日曜)に東京競馬場で行われた第20回GⅠヴィクトリアマイル(芝1600m・4歳以上・牝馬・定量・曇り・良馬場)は1番人気に支持されたアスコリピチェーノが優勝。管理する美浦・黒岩陽一調教師はヴィクトリアマイルは初勝利。騎乗したC.ルメール騎手とも当レースは4勝目。アスコリピチェーノは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 アリスヴェリテが大逃げを打ち、前半4ハロン通過は45秒4とハイペース。ただ、大きく離れた2番手以降は平均ペースで推移し、瞬発力勝負に。また前日の雨によって馬場の内側が悪くなり、コース取りも勝敗を分けるポイントになりました。

 

 

【レース分析】 アスコリピチェーノ(1番人気)はグイグイと歩様に勢いがあり、気合乗りが良好。海外遠征帰りでしたが、馬体もきっちり仕上がっていました。スタートで後手を踏み、また道中の進みもそれほど良くはなく、最後方を追走。4コーナー付近ではさすがに厳しいかと思われましたが、馬場のいい外から一完歩毎に差を詰め、最後は測ったように先頭を捉えてGⅠ 2勝目をマーク。厳しい展開の中で勝ち切ったように、改めて地力の高さを示しました。

 

 

「勝てて良かったです。安心しました。今日は1番人気でしたが、外枠でしたし、このような馬場でどんな競馬ができるかを心配していました。スタートはそれほど出ませんでしたし、スピードを出していくことができず途中は忙しく感じました。能力があるから加速はしてくれましたが、直線では何回か手前を替えて、トップスピードに乗るまでに時間がかかりましたね。ただ、メンタルが強いのでゴールまでよく頑張ってくれたと思います。日本でGⅠを勝てて良かったですとレース後にC.ルメール騎手はコメント。ダイワメジャー産駒にとって国内の芝マイルGⅠはこれが通算10勝目。ほとんどが先行力を生かしたり、好位から抜け出しての優勝だけに、後方からの直線一気は異質。海外遠征帰りでもしっかりと結果を残せた点には成長も窺えました。国内No.1マイラーを目指すのか?海外でのGⅠタイトルに駒を進めるのか?秋の出走予定が気になるところです。

 

アスコリピチェーノの4代血統表

 

クイーンズウォーク(4番人気)は牝馬とすれば馬格に恵まれ、動きは力強く、迫力満点。アスコリピチェーノの一列前から、しっかり脚を使って、ゴール前で抜け出しましたが、勝ち馬の決め手が一枚上でした。シランケド(7番人気)は以前より体がパンとして重厚感が出てきましたね。脚運びもスムーズでした。マイルの速いペースの中、後方追走。終い勝負に徹し、馬群を捌きながらメンバー最速の上がりをマーク。ただ、少し切り返すロスがありました。結果的には大外を回った方が良かったかもしれません。

 

 

アルジーヌ(5番人気)は輸送で少し馬体は減りましたが、ボリューム感があってハツラツとした動き。レース序盤は中団を進み、馬込みの中から徐々にポジションを上げていきました。直線に向いてからは一旦先頭のシーンを作りましたが、残り100m付近で接触。上位馬の瞬発力にも屈して僅差の④着に敗れました。アリスヴェリテ(15番人気)は少し立派!?な体の造りでしたが、テンションは上がっていませんでした。出脚はそこまで速くありませんから大外枠だったのは良かったですね。道中でペースを緩めず、リードを保ったまま直線へ。オッと思わせましたが、最後は脚いろが鈍って⑤着に後退。それでも、自らのスタイルを貫いて健闘しました。クリスマスパレード(8番人気)は無駄肉のない造りで、身のこなしは滑らか。テンションも上がらず、仕上がりは良かったですね。悔やまれるのはスタートでの出遅れ。その後は馬場の悪い内を走らされたのに加え、上がり勝負になったのも誤算。たらればは禁物ですが、スタートが決まっていたら、いいレースになったのではないでしょうか。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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