6月1日(日曜)に東京競馬場で行われた第139回GⅡ目黒記念(芝2500m・4歳以上・ハンデ・曇り・良馬場)は1番人気に支持されたアドマイヤテラが優勝。管理する栗東・友道康夫調教師は当レースは3勝目。騎乗した武豊騎手は通算4勝目となった。アドマイヤテラは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は近藤旬子さん。

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 逃げ候補が不在の組み合わせ。序盤はマイネルカンパーナが押し出されるようにハナ。すぐに後続も隊列が決まって流れが落ち着きましたが、13秒台のラップになったあたりでシルブロンが動いて先頭に。ただ、ここでも他に仕掛ける馬はいなかったので、急激にペースが上がるようなことはなく、勝負どころでも馬群はバラけず一団のまま。この日の芝コースは全体に内有利の傾向だったこともあり、流れに乗れる機動力が不可欠な展開になりました

 

 

【レース分析】 勝ったアドマイヤテラ(1番人気)は初めての関東遠征でしたが、体重は前回と変わりなく、返し馬の入りなども非常にスムーズ。レースでもサッと好位につけて馬群の中にポジションを取ると、まったく行きたがるような素振りはありませんでした。終始、前を見る位置から、直線の残り2ハロンあたりで進路が開くと鞍上が追い出しを開始。先行した②着馬に並びかけてからは追い比べの形になりましたが、手応えの違いから危な気はなく、着差以上に余裕を感じる勝ち方でした

 

 

「スタートが良くて、いいポジションを取れたことが大きいですね。折り合いもばっちりでしたし、一戦ずつ良くなっています。切れる脚はないけどバテない感じですから、雨が降ってくれたことも、この馬には良かったですとレース後に武豊騎手はコメント。昨年の菊花賞上位組が4月に行われた天皇賞・春では①~③着。菊花賞で③着だったアドマイヤテラが力通りに駆ければGⅡを快勝は当然の結果ですが、とにかく今回、印象に残ったのはセンスの良さ。初めての東京コースもまったく苦にしませんでした。春の最終戦に出走可能なGⅠレースではなく、ここを選んだのも秋のビッグレースを睨んでのことでしょうし、陣営の思惑通りに賞金も加算できましたから、益々、今後が楽しみになりました。

 

アドマイヤテラの4代血統表

 

②着ホーエリート(6番人気)は鞍上がスローペースを見越して、最初から2番手につける積極的な立ち回り。久しぶりの先行策でしたが、折り合いを欠くこともなく、直線では前3頭の叩き合いに競り勝ち、直後から抜け出しを図った勝ち馬にも最後まで食い下がりました。馬を熟知した鞍上に手が戻ったことが大きかった印象ですが、案外だった前走の福島牝馬Sから距離延長、広いコースに替わったこともプラスに出ましたね。牝馬で55キロのハンデも恵まれていたとは言えませんから、重賞初勝利は時間の問題でしょう。③着マイネルクリソーラ(9番人気)は内枠を利した立ち回りで、外から⑤着馬が動いた時に少し位置を下げましたが、最後まで渋太く伸びて馬券圏内に。上位2頭から3馬身差は決め手の差ともいえますが、流れに乗っての健闘は今後につながりそうです。

以下では④着ディープモンスター(13番人気)、⑥着ヴェルミセル(11番人気)がゴール前での伸び脚が目立ち、ペースや位置取り、内、外のコース取りの差などを考えれば、少なくとも③着馬とは互角か、それ以上に評価できる内容。自分が◎にしていた⑦着マテンロウレオ(4番人気)も序盤から想定より少し後ろのポジション。馬込みで動けず更に位置を下げながら直線では一瞬、弾けそうでしたから、流れに乗れていれば、の思いは残りました。一方、2番人気で⑪着のスティンガーグラスは終始、勝ち馬の直後に位置。手応えも十分に見えましたが、追ってから伸び切れませんでした。敗因は重賞の壁なのか、直前に降った雨が影響したのかは不明ですが、最後の50mは無理をしていない感じで③着とは0秒5(2馬身半程度)の差ですから、単純に昇級緒戦で力負けとは判断しない方がいいでしょう

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

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