6月1日(日曜)に東京競馬場で行われた第92回GⅠ日本ダービー(芝2400m・3歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)は1番人気に支持されたクロワデュノールが優勝。管理する栗東・斉藤崇史調教師、騎乗した北村友一騎手ともに日本ダービーは初勝利となった。クロワデュノールは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 確たる逃げ馬は不在。武豊騎手が騎乗したサトノシャイニングが大外枠からハナに立ちましたが、これを制して田辺騎手とホウオウアートマンのコンビが主導権を握りました。こういうケースで積極的に動くのはやはりベテラン騎手ですね。前半1000m通過は60秒0と平均ペース。逃げるホウオウアートマンから離れていた2番手以降はスローペース。今年の日本ダービーは瞬発力勝負となりました。

 

 

【レース分析】 クロワデュノール(1番人気)はパドックでは堂々と落ち着きがあり、身のこなしは滑らか。馬体の張りも申し分ありませんでした。スタート後はすっと行き脚が付いて、すんなり好位に陣取ることができました。途中で早めに進出すると考えられていたファウストラーゼンが最後方のまま動けず、隊列に変化がなかったことで、理想的なレースの形になりましたね。直線でサトノシャイニングを競り落とし、先頭に立つと最後はマスカレードボールの追い上げを凌ぎ切って3歳馬の頂点に輝きました。

 

 

「僕がダービージョッキーになれたというより、クロワデュノールがダービー馬になれたことが何より嬉しいです。最高のエスコートができました。クロワデュノールに乗ることができた縁を含め、ここに至るまでの過程、すべてがここにつながっていたんだなと感じています。僕の想いは馬を信じること、自分を信じること一点でした。人馬一体になれている気がして、いいリズムで走ってくれていたので、これなら絶対に伸びてくれると信じていました。手応え通りでしたし、信じた結果、一番になることができて良かったです。まだ伸びしろを感じるし、これからもっとクロワデュノールの名前が世の中に知れ渡ってほしいです」とレース後に北村友一騎手はコメント。その言葉通り、パートナーの力を信じ、自ら動いて直線半ばで先頭に立つと力強く押し切りました。ウイニングランで北村友一騎手は何度も何度もクロワデュノールの存在、その強さをアピールしていた姿も印象的でした。

 

クロワデュノールの4代血統表

 

マスカレードボール(3番人気)はホライゾネットを着用したことでテンションが上がり過ぎず、また毛ヅヤが冴えて、脚捌きもシャープでしたね。スタート後、スタンド前で内に入れてコースロスを抑え、道中はじっくりと脚を温存。先行・好位勢に有利な展開でしたが、懸命に追い上げて②着。負けて尚強しを印象づけるレースぶりでした。ショウヘイ(6番人気)はカリカリと少しうるさい仕草を見せていましたが、それだけ気力は旺盛。脚取りも軽やかでした。内枠を生かして好位のインを確保。さすがはルメール騎手というこれ以上ないくらいの騎乗でしたが、皐月賞上位組が強力でしたね。それでも、GⅠの舞台で③着は立派の一語。

 

 

サトノシャイニング(5番人気)は前回の皐月賞はうるさい面を見せていたんですが、今回は落ち着きがあって、脚運びもスムーズ。ハナを切るような構えから、2番手をキープ。完璧な立ち回りでしたが、勝ち馬に早めに交わされた分、最後に甘くなって④着に後退しました。エリキング(8番人気)は皐月賞より馬体が引き締まり、使われたことで心肺機能も良化。歩様に勢いがあって、上積みが感じられました。スタートで後手を踏み、後方待機策を選択。不向きな展開ではありましたが、メンバー最速の上がりを駆使して追い上げて能力の片鱗を示しました。骨折明けだった皐月賞を使われて復調。秋につながるレースができたのではないでしょうか。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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