6月29日(日曜)に福島競馬場で行われた第74回GⅢラジオNIKKEI賞(芝1800m・3歳・ハンデ・晴れ・良馬場)は4番人気だったエキサイトバイオが優勝。管理する栗東・今野貞一調教師、騎乗した荻野極騎手とも当レースは初勝利。エキサイトバイオは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主はバイオ(株)。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 外からトレサフィールが出脚の速さを生かしてハナを奪いました。ショウナンマクベスが掛かり気味に2番手を進み、スナークピカソはインの3番手に収まって追走。中盤、ラップが多少緩んだものの、平均ペースで推移。開幕週の馬場だけに上位争いを演じたのは先行した組と内をロスなく運んだ馬でした。
【レース分析】 エキサイトバイオ(4番人気)は最内枠に入った点を生かし、ラチ沿いをロスを抑えて追走できました。3コーナー付近から仕掛け、センツブラッドを追うように進出。直線に向くと前を走るショウナンマクベスが左ムチが入って内に切れ込んだのを見逃さず、開いたスペースに突っ込むと勢い良く差し切って勝利。荻野極騎手は冷静でしたし、エキサイトバイオ自身の操作性の高さ、そして反応の良さが小回りの福島コースで存分に生きました。
「レースでは初めてでしたが、調教からコンタクトを取っていました。内のいい枠だったので、あとは無理せずにスムーズに運べればと思っていました。道中のリズムは良かったですし、手応え通りに開いたところを割ってくることができました。最後までよく頑張ってくれました。ここにきて力をつけていますし、弾みをつけて次に向かいたいです」とレース後、荻野極騎手はコメント。母アニメイトバイオは現役時代、阪神JF、秋華賞で②着と大舞台でも活躍しました。その仔なら将来性は確か。今回はハンデに恵まれた面は否めませんが、持ち前の器用さの生きる条件であれば年長馬相手の重賞でもチャンスがありそうです。

▲エキサイトバイオの4代血統表
センツブラッド(2番人気)はスタートを決めると好位のインを確保。勝ち馬の一列前を進んでいました。直線入り口で逃げ馬と2番手の馬の間にスペースができると、間を割るようにして抜け出し、一旦先頭。最後はハンデが3キロ軽いエキサイトバイオの決め手に屈しましたが、完璧に立ち回って勝ちに等しい②着。終わってみれば前走で連対していた関西馬がワンツー。来年以降も自己条件の1、2勝クラスに出走できるのにも関わらず、敢えて福島の重賞に駒を進めてきた関西馬は狙い目になりそうです。インパクトシー(8番人気)は中団の外めを追走。連対した2頭に比べると外を回るロスがあったわけですが、②着馬にクビ差まで迫った走りは立派。スムーズに折り合って、気難しい面も出さなかったように進境も感じられる内容でした。
ビーオンザカバー(6番人気)はゲートを出てからスッと加速できずに最後方を追走。鞍上の田辺騎手は動かず、直線に賭ける戦法を選択。これが嵌まり、直線で外に持ち出すと勢い良く伸びてゴール寸前で前3頭に迫りました。勝ち馬より2キロ重いハンデ+開幕週の馬場を考慮すれば中身は濃く、粗削りながら性能が高いことをアピールしました。⑤着ショウナンマクベス(10番人気)、⑥着トレサフィール(1番人気)は先行力を生かして健闘。3番人気に推されたバズアップビートは⑩着。パドックの雰囲気は良かったのですが、上手に流れに乗って運んだ割に伸びあぐねてしまいました。白百合Sのようにじっくり構えて運ぶ方が合っているのでしょうか。
text by 藤原 有貴
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。