競馬 研究ニュース

第76回 ダイヤモンドS 回顧

 

2月21日(土曜)に東京競馬場で行われた第76回GⅢダイヤモンドS(芝3400m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はスティンガーグラスが優勝。管理する栗東・友道康夫調教師は2019年にユーキャンスマイルで優勝しており、当レースは2勝目。騎乗したC.ルメール騎手は通算3勝目となった。スティンガーグラスは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主はエムズレーシング

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 好スタートを決めたトータルクラリティが一旦はハナに立ちましたが、ファウストラーゼンが注文をつけて先手を主張するとすぐに引いて、3ハロン目から一気にペースダウン。その後はゆったりとした流れで13秒7のラップになる区間もありましたが、2000m通過あたりからピッチが上がり、ラストの5ハロンはすべて11秒台。速い上がりに対応できる機動力、いい脚を長く使える持続力が求められる展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったスティンガーグラス(1番人気)はスタートが今ひとつでしたが、早めにポジションを挽回し、1周目のスタンド前では中団の外。2周目に入る頃には前を射程圏内に入れていましたが、そこからもペースが上がらないと見るや更に位置を上げて、残り1000mでは2番手に。勝負どころから前に並びかけると最後の直線を向いたところでは早くも先頭に立ち、最後まで脚勢が鈍ることはなく、後続の追撃を許しませんでした

 

「いつも通りスタートが上手ではないので後方からに。外枠でスタート後すぐにコーナーがあるコースなので、あの位置から(馬に)プレッシャーがかからないように運びました。ペースがとても遅くて、馬もあまり落ち着いていませんでしたが、途中からペースアップした時にはリラックスして走ることができました。この馬はスタミナをたくさん持っていて、直線でも頑張ってくれますし、心臓が大きいです。(春の天皇賞についても)3200mは良さそうですし、右回りも中山で3回、勝っているので大丈夫。いいチャレンジだと思います」C.ルメール騎手はレース後にコメント。鞍上は翌日のフェブラリーSも快勝して、1回東京開催の重賞を4勝と、ほぼ、無双といえる状況。このレースもC.ルメール騎手らしいペース判断が光りましたし、他馬の動きを見るというより、自分でレースを支配する形。馬自身も終始、馬群の外にいながら、スムーズに折り合った気性、ジョッキーの意のままに最後まで脚を使えたスタミナを考えると、コメントの通り長距離への適性は非常に高いですね。勿論、転厩緒戦でしっかりと結果を出した陣営の手腕もさすがと言えます。

 

スティンガーグラスの血統表

 

 ②着ファイアングランツ(3番人気)は雪による競走取り止めで、自己条件(3勝クラス)から2週スライドでも体重は10キロ増。トータルで約5カ月の休養明けで成長分も考えると、理想的ともいえる仕上がりでした。中団の内で折り合いに専念し、最後の直線を向く時も手応え十分でしたが、惜しかったのは前に進路がなく、残り2ハロンで③着馬の外まで持ち出すロスがあった点。そこからの伸びは目を引きましたし、スムーズなら勝ち馬とも際どい勝負になっていたかもしれません。やはり広い東京なら重賞級の能力があることを示しましたが、デビュー当初は札幌で新馬勝ち→重賞③着ですから、いずれは他のコースでも高いパフォーマンスが見られるはずです。③着のブレイヴロッカー(11番人気)は最内枠を生かした立ち回りから2周目の3~4コーナーで外に進路を取り、一旦は2番手に上がって見せ場十分。勝ち馬との差はなかなか詰まりませんでしたが、②着馬よりも2・5キロ重いハンデを考えれば大健闘でしょう。ステイヤーズS④着時にもコンビを組んだ荻野極騎手とは相性がいいようですし、今後も長距離戦ならマークが必要といえます。

 

 

 ④着ヴェルテンベルクも②着馬と並ぶ上がり最速タイをマークして、ゴール前は目につく伸び。単勝4番人気は鞍上への期待もあるのかな、と考えていましたが、小回り向きのイメージを覆して、初めての東京で善戦した点は収穫。もともと、4コーナーで不利があって京都2歳S③着時には将来が楽しみと思わせた馬ですし、明け6歳でも長距離に適性を見つけ、これから活躍しそうな予感もあります。⑤着ホーエリート(2番人気)は外枠から好位を取って、少し力み加減でも道中で無理に動かなかったこともあり、伸びそうな手応えでしたが、直線で内から寄られる形になって鞍ズレ。最後はまともに追えませんでした。スムーズでも勝ち負けまではどうか、という印象ですが、能力を出し切っていないことは確か。しかも牝馬で実質、トップハンデでしたから、今回の結果で評価を下げる必要はありません。そして、自分が紙面で◎にしたレッドバリエンテ(8番人気)は⑥着。③着馬の一歩前から、正攻法の立ち回りでレースぶりは良かったですが、それで伸びを欠いたあたり、現状で広い東京の3400mは長かったというのが、正直な感想です。それでも長期の休養がありながら、軌道に乗ってきていることは間違いないと思いますので、次走以降も注視していきたいと考えています。

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止