怪物の娘が北都で躍動
2017年9月2日(土)2回札幌5日目11R第52回札幌2歳ステークス(GⅢ)は、単勝1番人気に応えてロックディスタウン(父オルフェーヴル×母ストレイキャット)が優勝。叔父がゼンノロブロイで姉タガノエリザベート、キャットコインも重賞勝ちと活力ある母系の出身。今年、デビューしたオルフェーヴル産駒の重賞勝ち第1号となりました。管理するのは二ノ宮調教師、鞍上はC.ルメール騎手。
レースを振り返ってみましょう。
勝ち時計 1分51秒4
前・後半4F 49秒8→49秒0
12.7 – 12.0 – 12.5 – 12.6 – 12.6 – 12.4 – 12.3 – 11.9 – 12.4
パドックで気配の良さが目立ったのはカレンシリージョとクリノクーニング。ともに外目をキビキビと周回。ロックディスタウンは柔らかい歩様。牝馬ですが、現地調整の効果か落ち着きがありました。
スタート後、サージュミノル、マツカゼが果敢に先行し、ファストアプローチも前へ。外枠の馬たちが勢い良く、1コーナーへ飛び込んでいった分、内の馬はプレッシャーを受ける形に。割を食ったのはダブルシャープ。内へ押し込まれた他馬に前に入られて後退し、位置取りが悪くなってしまいました。2コーナーを過ぎて隊列が決まると流れが落ち着き、全体のラップを見ると極端に遅くもなく、速くもない平均ペースでした。
勝ったロックディスタウンは1コーナーでファストアプローチに外から馬体を寄せられましたが、掛かったりすることなく向正面へ。その後は好位の外目を手応え良く追走。精神面が大人で、ひと脚で前を捉えられる位置にいとも簡単につけられたあたりセンスの良さが光りました。直線に入ると粘るファストアプローチを競り落として勝利。上がり3F32秒台の瞬発力勝負だった新潟外回りの新馬を制し、今度はタフな洋芝で重賞獲り。活躍の舞台を選ばないのはそれだけ総合力が高いということ。牝馬による札幌2歳S制覇は13年レッドリヴェール以来。そのレッドリヴェールは続く阪神ジュベナイルフィリーズでも優勝。比較からもGⅠ級の力を備えていると見ていいでしょう。
2着ファストアプローチは課題のスタートを決めて3番手を追走。テン乗りながら蛯名騎手が上手になだめて折り合いがついていました。追い比べの末に2着に敗れましたが、雄大な馬格でまだまだ良化余地は十分。距離をこなせたことで今後の選択肢も広がりました。3着はダブルシャープ。上位2頭は好位置で流れに乗れていた点を考慮すると、後方から長く脚を使ってクビ+アタマ差まで追い上げた点は値打ちがあります。叔父にメジロブライトがいる母系の出身。時計の速い芝に対応できるようだと朝日杯FSや来年のクラシック戦線でも活躍が見込めます。
もう1頭のオルフェーヴル産駒クリノクーニングは勝負どころで外から動いてきた馬にフタをされて仕掛けが遅れる不運が祟り6着。最後は脚を見せて0秒3差まで詰め寄っていただけにスムーズに捌けていれば際どい勝負になったはず。この一戦だけで評価を下げる必要はありません。
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。