こんにちは!森田美菜です。今回は、装蹄師さんのお仕事についてお話しします。

馬にとって「第二の心臓」と言われる蹄は、血液循環のポンプとして働いています。そのため、異常が起こって歩けなくなると血液循環が滞ってしまい、馬体にも悪影響が出てしまうのです。

 

蹄、装蹄師についての説明は以下をご覧ください。

※蹄(ひづめ) 馬の球節の下で人間の中指1本に当たり、爪のようにみえる部位。馬体を支える基礎であり、運動上もっとも大切な部分である。したがって削蹄(さくてい)、装蹄(そうてい)、また蹄の手入れの良否が、直接、間接に馬の能力に大きな影響を及ぼすものであり、厩舎関係者は裂蹄(れってい)や蹄の病気にかからないよう、蹄の良好な状態を保つため注意している。蹄鉄は、この蹄の摩耗を防ぐために着けられている。

※装蹄師(そうていし) 馬の削蹄、装蹄をする人。装蹄師になるには、(公社)日本装削蹄協会が実施している1年間にわたる講習会〈全寮制〉を受講し、認定試験に合格する必要がある。

(競馬ブック 競馬用語辞典から抜粋)

 

そんな大切な蹄を扱う装蹄師さんは、どのようなお仕事をしているのでしょうか。

JRAの競走馬を担当している装蹄師さんにお話を聞きました。

 

競走馬の蹄鉄

 

JRAの競走馬を扱う装蹄師さんは普段どこでお仕事をされているのですか?

 所属している装蹄所にもよりますが、水、木、金曜日はトレーニングセンター内、土、日、火曜日は近隣の牧場で働くことが多いです。近隣の牧場では、育成馬や放牧している馬の装蹄をさせてもらっています。牧場によっては、地方競馬所属の馬を装蹄することもありますよ。

 また、競馬開催日に競馬場で仕事をすることもあります。パドック、厩舎地区、ゲート前の3カ所に1人ずつ配置されて、競走馬の落鉄があれば対応しています。

 

競走馬はどのくらいの頻度で装蹄をするのでしょうか?

 大体2週間から3週間おきに一度装蹄をします。栗東トレーニングセンターでは、ほとんどの馬が競馬を使う週に装蹄をするので、「2週間後が競馬だから今週装蹄をしておこう。」というように逆算して改装(蹄鉄の履き替え)時期を調整しています。

 

装蹄をする時に気をつけていることはありますか?

 とにかく落鉄しないようにすることを第一に考えています。馬が自分で踏みかけて蹄鉄を外さないよう、しっかりと蹄の形に合わせて蹄鉄を作ります。釘を打つ位置にも注意していますね。

 

これはいい蹄鉄だ!というものはあるのでしょうか?

 硬い蹄鉄の方が擦り減りにくい気がしますが、叩くのが大変であるなどのデメリットもあるので、一概にこの蹄鉄がいいとは言えないですね。

 

とても難しいお仕事ですね……。やりがいは何でしょうか?

 やはり、担当している馬が大きなレースを勝つと嬉しいです!これまで2頭の担当馬が日本ダービーを勝ったのですが、その時は本当に嬉しく思い、感動しました!

 

それは嬉しいですね!これからもご活躍をお祈りしています!本日はありがとうございました。これからもお仕事頑張ってください!

 ありがとうございました!

 

装蹄師さんが実際に使用している道具

 

 

装蹄師さんのお仕事について少し知っていただけたでしょうか?

それぞれの馬に合わせた蹄鉄を考えてつけているそうなので、パドックで蹄に注目してみるのも面白いかと思います。

「あれ?前走と違う形の蹄鉄だ!」ということもあるかもしれません。

気づくことができれば、馬券にもいい影響を与えてくれるかも……?

 

調教取材担当 森田美菜