2020年12月20日(日) 6回阪神6日

 1.32.3の走破時計は従来の記録をコンマ1秒上回るレコード。馬場の内めは見た目ほど悪くない印象で、その気になれば速い時計が出る状態でした。レースは内のブルースピリット、ショックアクションが好スタート。ただ、二の足でモントライゼが前を交わしてハナへ。後ろを引き離す形となり、前半33秒7は過去10年と比べて最も速い数字。2ハロン目から10秒台が続く速い流れでした。

 勝ったグレナディアガーズは3番手の真ん中を進み、4角では2番手ブルースピリットに並びかける形。このブルースピリットが⑤着に踏ん張っているあたり、2番手以降はそこまで速い流れではなかったかも。実際に1400mで結果を出してきたグレナディアガーズには、折り合い面も含めてちょうどいいペースだったかもしれません。フランケル産駒は瞬発力勝負には向きませんが、こういったスピードの持続力が問われる勝負には本当に強いです。

 ステラヴェローチェはスタートがひと息でしたが、中団につけてインでじっと息を潜める形。直線で外に出そうとしますが、厳しいとみると瞬時に内へ。レース最速上がりで伸びてきましたが、②着に上がるまでがやっと。それでも、時計勝負に対応できたことは収穫でしょう。

 1番人気のレッドベルオーブは③着。序盤はこの速い流れでも頭を上げて行きたがっていました。直線は外から脚を伸ばしますが、前との差は大きかったです。結果論ですが、折り合い重視で少し構え過ぎたかもしれず、それは「3角で勝ち馬の後ろを取れるチャンスはあったのですが、そこの選択ミスが最後まで響いてしまいました」との福永騎手のコメントに表われているかもしれません。ホウオウアマゾンはデイリー杯2歳Sでレコード決着を演出した反動があったのかなと。力は確かなので、デキが戻ってくれば巻き返してくるでしょう。モントライゼは前述通り、少しオーバーペースだったように映ります。

 これまでは、どちらかと言うと中盤が緩んで上がりが速くなる、決め手が問われるレースが多かった朝日杯ですが、昨年に続いて今年も締まった流れでの地力勝負。上位陣はクラシックにつながるレベルと判断してよいでしょう。また、勝ち負けまではいかずとも、瞬発力勝負が得意な馬はレースの質が変われば一変してくる可能性十分です。

text by 小林  

 

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