2021年3月28日(日) 2回中京6日

 2年連続で重馬場での施行となった高松宮記念。今年の1番人気は牝馬で1200mが初めてというレシステンシアでした。2番人気に香港のG1を制したダノンスマッシュ、3番人気がマイルでG1を2勝しているインディチャンプ。実力は十分な馬達が揃ってはいましたが、本邦のスプリント界で抜けた存在といえる馬が不在のレースでもありました。前半34秒1─後半35秒1の前傾ラップ。昨年はモズスーパーフレアが逃げ切りましたが、当時は34秒2─34秒5。後半の落ち込みを見ると、今年の方がタフなレースだったのではないでしょうか。データでは内枠有利でしたが、今年は少し様相が違ったようです。

 結果は人気馬3頭の決着。数字以上に地力を問われる一戦だったかと。ダノンスマッシュは昨年暮れの香港スプリントから直行。パドックの雰囲気は良かったですね~。外めをキビキビと歩いて、馬体もキチッと仕上がっていました。道中はレシステンシアを見ながら、いい感じで脚がたまっていて、直線は馬場のいい外から脚を伸ばし、追い比べを制しました。マークする立場の分だけこちらが有利でしたね。道悪は関係なかった感じ。これで名実共に日本スプリント界のトップに立ちました。

 レシステンシアはこの枠でしたから馬群の外めで控える競馬になりましたが、脚はたまっていました。最後は追い比べでクビ差遅れましたが、十分に地力は示した格好。2頭とは対照的に道中内々を回ってきたのがインディチャンプ。直線はうまく前が開きましたし、前を行くモズは捉えることができましたが、外の2頭の勢いが上でした。荒れた馬場を考えるとこちらもよく走っています。最後に勝負を分けたのは、上位3頭のスプリント適性の差とも。

 トゥラヴェスーラは前に馬を置いて折り合い専念。しっかりと脚がたまっていた分、勝ち馬の進路をトレースして伸びてきました。力はあるからこその走りですが、シルクロードSがいい試走になったという内容でした。モズスーパーフレアは素晴らしいスタート。楽々と主導権を握ることができました。絡まれることもなく、終始ラチ沿いを通って踏ん張りました。全体に外差し競馬になったことを考えると、さすがは前年覇者といったところでしょうか。データ室で◎に押したライトオンキューはレース中に鼻出血を発症していたことが判明。残念です。

text by 小林  

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。