8月8日に函館競馬場で行われた第26回GⅢエルムS(ダ1700m・3歳以上・別定・曇り・良馬場)は単勝4番人気に支持されたスワーヴアラミスが追い比べを制して優勝。騎乗した松田大作騎手、管理する栗東・須貝尚介調教師とも当レースは初勝利。スワーヴアラミスは北海道白老町白老ファームの生産馬。馬主は㈱NICKS。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 アメリカンシードは控える形を選択。トップウイナーが主導権を握ってレースを引っ張りました。前半3ハロン36秒3~5ハロン60秒3というペースは重賞レースとしては平均か少し速めのペース。

 

前哨戦、本番と勝負強さを見せて連勝

【レース分析】 いつもは札幌で施行されていますが、今年の舞台は函館。2017年以降、前走マリーンS(函館ダ1700m)組が4年続けて連対中。同じ条件での開催となったことが大きかったのか、結果はマリーンSの①②着馬がそのままワンツーを決める形に。改めてシンプルな考え方で良かったと感じさせられた結末でした。とはいえ、スワーヴアラミス(単勝4番人気)に重い印を打てなかった理由は外目をスムーズに先行できないと脆い面があるから。10番枠だったマリーンSとは違い、今回は4番枠。しかし、レースでは外に馬がいる形でも集中は途切れずに追走。3コーナーで前に進路が開けると鋭さはないものの、ジワジワと加速。他の馬が止まっても追いバテない強みを生かし、追うオメガレインボーを振り切ってゴール。ブリンカー効果もありましたが、馬込みの中で運んで結果を出せたのは大きな収穫だったのではないでしょうか。

 

▲松田騎手は今年の3月からスワーヴアラミスとコンビ再結成。レース後はパートナーとそして厩舎スタッフを称えるコメントを残した。

 

「渋い馬なのでずっと追う必要がありますが、こちらの指示に馬がよく応えてくれました。初めてのブリンカーも効いていました。どこかで外に出したいと思っていましたが、3コーナーでそうすることができました。他馬が止まっても、バテずに頑張ってくれるのがこの馬の良さです。厩舎スタッフにも感謝したいですね」とレース後に松田大作騎手はコメント。これが昨年3月のマーチS以来となるJRA重賞2勝目。スピードとパワーを兼備しており、個人的には1周競馬の1400mで施行されるダートグレード競走でも活躍できそうに映ります。まだまだ活躍のフィールドが広がりそうですね。

 

スワーヴアラミスの4代血統表 ハーツクライ産駒は昨年のタイムフライヤーに続いてエルムS連覇を達成。その成長力は驚異的であり、更なるタイトル獲得が期待される。

 

ひと皮剥けたオメガレインボー

 ②着オメガレインボー(7番人気)は横山和生騎手とコンビを組むようになってから差しを体得。これによってひと皮剥けてオープンクラスでも通用するようになりました。マリーンSに続いて今回もスワーヴアラミス相手に敗れはしましたが、中団から外を回ってポジションを上げて勝ち負けに加わったのですから負けて強し。ワンターンでも折り合って運べれば切れる脚を使えるタイプ。今ならどのような条件に替わっても大きく崩れるシーンは考えにくいですね。低評価を覆す走りを見せたのが③着のロードブレス(11番人気)。オープンに上がってから良馬場、稍重のダートに限れば常に④着以内に健闘。馬体が引き締まったのも奏功したようで最後はグイッと伸びてウェスタールンドに先着。鉄砲も利くタイプですね。

 

▲直線に向いてからは激しい追い比べに。最後にグイッとひと伸びしたスワーヴアラミスが先頭でゴール板を駆け抜けた。

 

 ④着ウェスタールンド(3番人気)は前走からマイナス10キロと絞れて動ける体つきに。③着ロードブレスとの着差は通ったコース取りの差ですが、伸び負けたあたり、まだ復調途上なのかもしれません。2番人気ソリストサンダーは脚が続かずに⑩着。ただ、叩き良化タイプですし、追い切りでは格下に遅れてもいました。続けて使えば大きく変わってきそう。まったく粘りを発揮できなかったアメリカンシード(1番人気)はレース中に鼻出血を発症。馬込みの中で揉まれる形でも手応え良く運べていただけに残念な結果となってしまいました。

 

 

                          

text by 藤原 有貴

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走着順・・・今年はマリーンS①②着馬がワンツー。やはり同組は連対馬だけ狙うのが正解のようだ

 

 

 

 

《エルムS 2016-20》

 

 


 
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