8月22日に札幌競馬場で行われた第57回GⅡ札幌記念(芝2000m・3歳以上・定量・曇り・良馬場)は単勝2番人気に支持されたソダシが早めに先頭に立つとそのまま押し切って優勝。騎乗した吉田隼人騎手、管理する栗東・須貝尚介調教師とも札幌記念は初勝利。ソダシは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人HD㈱。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 大方の予想通りトーラスジェミニが主導権を握り、ソダシが外から2番手の位置をキープ。スタートしてから4ハロン目以降は12秒台中盤の落ち着いたラップが刻まれましたが、残り1000m付近からブラストワンピースが動いたことで様相が一変。上がり4ハロンはすべて11秒台が続き、持久力、地力が問われる消耗戦となりました。
スーパーホースが札幌凱旋!
【レース分析】 勝ったソダシ(単勝2番人気)はオークス以来の実戦でも馬体重の変動はなく、上々の仕上がり。大外枠でレースもしやすかったようで、スムーズな立ち回りから、他馬の仕掛けにも即座に反応して早めにスパート。そのまま後続を振り切りました。
「結果を出せてホッとしました。外枠だったので、ゲートを出たなりの感じで1コーナーに入ろうと思っていました。道中も折り合いがついて、いつでも動ける手応えでしたし、前半のレースに乗って、前が止まらない馬場状態だと感じていたので、自信を持って追い出しました。オークスは期待に応えられませんでしたが、2000mも問題ありませんし、復帰戦でソダシらしい競馬ができて良かったです。秋が楽しみです」とレース後に吉田隼人騎手はコメント。揉まれない外枠+古馬とは斤量差もありましたが、⑤着馬が道中で仕掛けた際に外から被せられないように動き、少し早いのでは、とも思えるスパートから後続を抑えた内容は強いの一語。元来、レース運びが上手で折り合いもつきますから、個人的にオークスは距離が敗因ではないと考えていましたが、少なくとも中距離が守備範囲であることは実証して、秋華賞に向けて順調な一歩を踏み出したと見ていいでしょう。
伸び脚光ったラヴズオンリーユー
②着ラヴズオンリーユー(1番人気)も仕上がりは良く見えて、3コーナーで他馬と接触するようなシーンがありながら、最後まで脚を伸ばして連対を確保しました。勝ち馬とは斤量差があり、洋芝への適性も相手が一枚上と見ていましたから、ゴール前の末脚はさすがと感じさせるもの。こちらは秋に米国遠征を予定しているようなので、時計の速い芝になれば、更に上のパフォーマンスが期待できそうです。③着ペルシアンナイト(8番人気)は発馬を決めて序盤は中団、向正面では好位にポジションを上げて、勝負どころでは勝ち馬をマークするような形に。前は捉えられませんでしたが、一旦は2番手に上がって②着とアタマ差ですから、7歳でも能力面の衰えがないことは明らかですし、洋芝への適性も高いですね。
④着マイネルウィルトス(11番人気)は内枠をフル活用したロスのない立ち回りで健闘しましたが、上手なレース運びで力を出せた点は収穫。⑤着ブラストワンピース(3番人気)も向かい風の吹く向正面で追い上げた時の脚は目につき、着実に復調が進んでいるようです。個人予想で◎とした⑩着トーラスジェミニ(7番人気)は注文通りハナに立ち、マイペースに持ち込めたと思いましたが、道中で⑤着馬が動き、それに対応した勝ち馬に、早めに交わされたことが誤算。展開ひとつのタイプですから、単騎で逃げるか、2番手でも揉まれない形でレースを運べれば、巻き返しは十分に可能でしょう。
text by 五十嵐 友二
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
【データ泣き笑い】 〇実績・・・今年はGⅠを含め、重賞を2勝以上していた馬が③着までを占めた。やはり実績馬が優位だ。 〇レース間隔・・・海外帰りだったラヴズオンリーユーが②着確保。優勝となると難しいが、来年は連対候補には加えるべきだろう。 〇ハービンジャー産駒・・・GⅠ勝ちのあるハービンジャー産駒の2頭は③⑤着。連対はならなかったが、今年もペルシアンナイトが馬券に絡んだ。条件を満たす馬には今後も警戒が必要だ。
《札幌記念 2016-20》 |