3月5日(日曜)に中山競馬場で行われた第60回GⅡ弥生賞ディープインパクト記念(芝2000m・3歳・馬齢重量・曇り・良馬場)は3番人気のタスティエーラが優勝。管理する美浦・堀宣行調教師は15年にサトノクラウンで勝っており、当レースは2勝目。騎乗した松山弘平騎手は初勝利。タスティエーラはサトノクラウンの産駒ですから父仔制覇となりました。タスティエーラは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 ホープフルSで主導権を握ったトップナイフが控える競馬を選択したので、前走を逃げ切っていたゴッドファーザーが自然体でハナに立つ形に。外からセッションも差なく続きましたが、5ハロン通過は61秒0とゆったりした流れ。ラスト3ハロンは11秒台のラップが続いたように、速い上がりに対応できる機動力か、瞬発力が求められる展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったタスティエーラは中2週、初めての中山コースでも気負うようなところはなく、落ち着いた雰囲気で、レースでも好位を折り合って追走。外めで前を射程圏を入れながらレースを進め、3コーナーで仕掛けた際の反応が良かった割に直線入り口では周囲の馬より先に鞍上の手が動いていましたが、そこから力強く伸びて抜け出すと、後続の追撃を振り切りました

 

 

 「勝負どころでスブさを見せるところがある馬ですが、過去のレースを見て、そのイメージを持って、自ら動ける位置で勝ちに行く競馬をしました。それに馬が応えて強い競馬をしてくれました。素晴らしい馬に乗せていただいて、関係者の方に感謝したいです。前哨戦を勝つことができて出走権も確保しましたし、次も走ってくれる馬だと思うので、頑張って欲しいですね」とレース後に松山弘平騎手はコメント。先週も中山記念を制した厩舎松山騎手のコンビですが、こちらはテン乗りでしたし、今後に向けて賞金加算ができた点でも意義の大きな勝利。皐月賞に向けては短期間に重賞を連戦した影響が気になるところですが、馬自身は一戦毎に進化している印象もありますから、有力馬の1頭であることは間違いないでしょう。

 

タスティエーラの血統表

 

 ②着トップナイフ(単勝1番人気)は暮れ以来で10キロ減の体重は意外でも、見た目に細い感じはなく、むしろ骨格や筋肉のつき方がくっきり分かるようになった印象。鞍上の意のままにレースを進めて、好位のインから一瞬は追い出しを待たされましたが、渋太く脚を伸ばして連対を確保。ためる競馬でスパッと切れるタイプではないようですが、それを確認できた意味でもステップレースとしては上首尾。本番は戦法を変えてきそうな予感がしました。③着ワンダイレクト(2番人気)は4コーナーでの手応えは勝ち馬よりも良く、突き抜けそうな脚いろから坂を上がると勢いが鈍りました。前走も似たようなレースぶりだったので、気性的にいい脚を長く使えないのか、本質的に若干、2000mは長いのか、ですが、引き続き中山なら乗り方ひとつで、それをカバーすることも可能でしょうし、評価を下げるのは危険な気もします。

 

 

 ④着アームブランシュ(9番人気)と⑤着フォトンブルー(10番人気)は直線でよく伸びて、健闘といえる内容でしたが、スローから瞬発力比べの展開が味方した感も。ともに1勝馬ですから当然、自己条件なら有力視できますが、自分から勝ちに行く競馬をした時がどうなのか、次走が試金石になりそうです。一方、自身が当日版で◎にしたレヴォルタードは4番人気で⑥着。こちらは消耗戦に強いタイプで中山向きと見ていたので、展開的にアテが外れた感じ。ただ、鞍上は逃げる競馬も想定していながら、馬が走る方に集中してくれなかったとのことですから、今回は年明け緒戦でもあり、キャリアの浅さが出たと見るべきでしょう。いずれは頭角を現してくる素材という見立ては変わりません。

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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