6月9日(日曜)に函館競馬場で行われた第31回GⅢ函館スプリントS(芝1200m・3歳以上・別定・小雨・良馬場)は2番人気に支持されたサトノレーヴが優勝。管理する美浦・堀宣行調教師は函館スプリントSは3勝目。騎乗した浜中俊騎手は2勝目となった。サトノレーヴは北海道日高町白井牧場の生産馬。馬主は里見治さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

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【展開・ペース】 内枠のカイザーメランジュが好スタートを決めたのに対し、他の先行型が出負けしたり、行き脚が今ひとつだったこともあり、道中も単騎で主導権を握る形に。前後半のバランス的にはハイペースに分類されますが、前半600m通過33秒8は小雨模様の天候、馬場状態を考慮しても、古馬GⅢとしては速い流れとはいえず、後半の3ハロンも11秒6~7のラップでまとまる形。好位勢や馬場の内を通った馬が掲示板を占める結果になりました。

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったサトノレーヴ(2番人気)は互角のスタートから枠なりで好位のインにポジションを取り、勝負どころでの手応えも十分。直線では先行馬の間を突いて前が狭くなるシーンもなく、鞍上のアクションに応えて鋭く抜け出すと、そのまま脚いろは乱れず、一気にゴールまで駆け抜けました。

 

 

 

 「枠順的にいい並びで、今日のようなレースを想定していたので、スタートだけ集中していました。道中の感じは良かったですし、少しでもスペースがあれば反応できる手応えで、力通りでした。いい馬で乗っていて安心できますし、武器はレースセンスですね。今後が楽しみです」とレース後に浜中騎手はコメント。今年の当レースはメンバー的に主力伯仲の見立てでしたが、調教VTRをチェックして、動きの良さが、ひと際、目立っていた時点で本紙◎は決まり。スタートをしっかりと決めて、この馬らしい上手な立ち回りで期待に応えてくれました。このレースの決着時計自体は水準レベルでしたが、2勝クラスを勝った際には同じ週のスプリンターズSを凌ぐタイムを記録していますし、夏の命題だった賞金加算を早くもクリアできましたから、秋の大目標に向けて前途は洋々です。

 

 

サトノレーヴの4代血統表

 

 

 ②着ウイングレイテスト(5番人気)もスタートを決めて、鞍上が気合をつけて好位の外めを確保し、前を見るような位置取り。直線入り口で先頭に並びかけて、最後まで渋太く脚を伸ばしました。過去のラップから1200mでも流れに乗れるとは思っていましたが、59キロの斤量が気になって、シルシをつけ切れなかったことが痛恨。やはりGⅢでは地力上位ですし、次走以降は距離への慣れも見込めますから、サマースプリントシリーズの主役候補に浮上したと見ていいでしょう。③着のビッグシーザー(3番人気)は上位馬の直後で外枠のロスを最小限に抑えた立ち回り。それでも、すぐ前にいた②着馬を交わし切れなかったあたりが、決定力に欠ける現時点での課題といえますが、レース運びには自在性がありますし、もうワンランク、レベルUPできれば、すぐに重賞勝ちに手が届くはずです。


 

 

 

 ④着サウザンサニー(7番人気)、⑤着オタルエバー(13番人気)はともにスタートが今ひとつでしたが、内枠を生かして掲示板を確保。ただ、2頭とも過去に重賞③着などの実績がある馬ですから枠順に恵まれただけとはいえず、今後も伏兵候補としての注意は必要でしょう。更に取り上げておきたいのが⑥着のゾンニッヒ(9番人気)で、直線は馬群の外から鋭い伸びが目を引きました。大外枠が惜しまれるレースぶりでしたし、洋芝が合っていることも改めて確認できました。⑧着のセッション(11番人気)も初距離+外枠で出遅れながら上がり最速を記録しており、1200mに慣れてくれば、躍進があっても驚けません。一方で1番人気に支持されていたアサカラキングは⑨着。スタートで出負けしましたが、もともと一歩目が速いタイプではなく、行き切れなかった際を懸念して紙面の評価は▲。悪い予測が的中してしまいましたが、それでも、勝ち馬との着差は0秒5ですから、自分の形にさえなれば巻き返しは可能でしょう。この馬の場合、枠順も真ん中から外めの方が、加速をつけやすいのかも知れません。

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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