11月2日(土曜)に東京競馬場で行われた第60回GⅡ京王杯2歳S(芝1400m・2歳・馬齢重量・小雨・稍重馬場)は8番人気のパンジャタワーが優勝。管理する栗東・橋口慎介調教師、騎乗した松山弘平騎手ともに当レースは初勝利。パンジャタワーは北海道新ひだか町チャンピオンズファームの生産馬。馬主は(株)DeepCreek

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 テンから先手を主張するかと思われたシンフォーエバーが外めの枠順や若干、出負け気味だったこともあってか、馬任せで無理に気合をつけなかったこともあり、好スタートを決めたマリノトニトゥルスがスッと前へ。ただ、2番手のクラスペディアが行きたがったように最初の1ハロンの入りは遅く、その後は11秒台のラップが続いて全体的には平均ペース。キャリアの浅い2歳馬には、スムーズに折り合える気性の良さや完成度、そして、稍重の馬場にしては速いレース上がりに対応できる決め手の鋭さが求められる展開となりました

 

 

 

 

【レース分析】 勝ったパンジャタワー(8番人気)は初戦から12キロ増の馬体が少し立派に映っても、キャリア2戦目の馬が初めての関東遠征で体重が減るよりは全然いい、というのが戦前の印象。レースでもスタートは良かったですが、鞍上が控える競馬を選択して行きたがる面も許容範囲。2ハロンを過ぎるあたりでは中団で折り合いもスムーズになり、自然と馬群の外めで直線を向くような形に。そこから手応え通りに伸び始めると、最後まで脚勢が鈍ることはなく、前をきっちりと捉え切りました

 

 

 

 

 「最後の伸びは良かったです。スタートを出なかった1200mの前走でも長く脚を使っていたので、1400mはいいと思っていました。(良馬場発表の)前走も馬場はあまり良くなかったですし、2戦続けて(こういう)馬場をこなしてくれました。悪い馬場は苦にしませんね。2連勝できて良かったです。これからの馬で、まだ良くなると思いますから、一緒に頑張っていきたいです」とレース後に松山騎手はコメント。初戦が②着に半馬身差だったのは鞍上が追い出しを待ったからで、着差以上に余裕のある勝ち方なのは承知していましたが、直前輸送など、色々な課題を考慮して、シルシをつけ切れなかったのは自分の見る目のなさ。今回のレースぶりならスプリント色が強いイメージの父の産駒でも、距離はマイルに延びても問題なさそうです。あとは、馬群の中で極端に揉まれた時がどうかですが、引き続き広いコースなら更にメンバーが強くなっても互角以上に戦える可能性は十分でしょう。

 

 

パンジャタワーの4代血統表

 

 

 ②着のマイネルチケット(5番人気)は中3週での東京遠征が続いても体重は2キロ増で、若駒らしからぬタフさを感じさせる気配。速い流れの中を一旦先頭のサウジアラビアRCから1ハロン短縮もプラスと考えていましたが、思っていた通りのレースぶりでした。勿論、マイルに戻しても注意は必要になりますが、将来的には短距離馬として大成するかもしれませんね。③着ヤンキーバローズ(4番人気)は調教VTRを見て、動きの良さが目についていた1頭。前半で少し力み加減だったのは、スタートで他馬と接触した影響も考えられます。それでも、直線で進路を内に切り替えながら、鋭く伸びてきましたし、こちらは1400mの距離や広いコースがプラスに出た印象。馬っぷりもいいので、折り合いさえスムーズならマイルになれば、更に良さが出てくる期待も持てそうです

 

 

 

 

 ④着が自分が◎にしていたヒシアマン(1番人気)で、スタートは互角でも抑えて、中団の内につけて折り合いに専念する形。道中は勝ち馬と近い位置で、スパートしたのも同じようなタイミングでしたが、直線で少し反応が遅れた時に外から相手に行かれて、その外へ切り替えるシーンがありました。最後は③着馬に迫る脚勢で伸びていましたが、脚を余してしまった感じ。結果論ですが、「理想はもう一列前でしたね」というレース後の鞍上のコメント通りの内容で、今回は力負けではありませんね。一方、2番人気のエイシンワンドは⑧着。14キロ増の馬体が太い感じはなく、少し間隔をあけたことでパワーアップしている、という本紙の見立て通りの気配。ただ、向正面で他馬に寄られてから行きたがっていましたし、4コーナー2番手から抜け出した過去2戦よりも後ろの位置取りで、「今までと違う形の競馬に馬が戸惑っている感じでした」と鞍上が語ったことからも、こちらも力を出し切った結果ではないでしょう。距離適性に関しても今回で判断するのは早計だと考えています。

 

 

 

text by 五十嵐 友二

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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