曇天貫く戦士の咆哮

 2017年7月16日(日)2回函館4日目11Rサマー2000シリーズ第2戦 第53回函館記念(GⅢ)は、単勝5番人気に支持されたルミナスウォリアー(父メイショウサムソン×母ルミナスハッピー)が優勝。重賞には5度目の挑戦で見事にタイトル奪取。鞍上の柴山雄一騎手は15年12月の金鯱賞以来となる重賞勝利。管理する和田正一郎調教師は平地重賞初制覇(オジュウチョウサンで障害重賞6勝)となりました。

レースを振り返ってみましょう。

勝ち時計 2分01秒2

前・後半5F 60秒660秒6

12.5 – 11.1 – 12.0 – 12.4 – 12.6 – 12.3 – 12.1 – 12.2 – 11.8- 12.2

 朝から雨が降り続いた影響で馬場状態の発表は“重”。パワーとタフさが要求されるコンディションに。スタート後、外枠からヤマカツライデンタマモベストプレイが積極的に前へ。ステイインシアトルは無理に競ることは避けて、早々と控える形を選択。隊列が比較的スンナリと決まったことで、1コーナーでゴチャつくようなシーンは見られませんでした。

 勝ったルミナスウォリアーは中団付近を追走。馬群の外に位置したため前に壁を作れない状況でも、柴山騎手は上手に我慢させていました。3コーナー手前で鞍上がゴーサインを出すと、しっかり反応し、スルスルと進出。3、4コーナーでは多少外を回るロスがありながらも最後は1馬身半抜け出したのですから完勝といっていいでしょう。もともと時計勝負にも対応できるタイプで馬場不問であることを証明。また今回を含め、2カ月半以上の休み明け緒戦に限ると6戦3勝、2着3回。現役屈指の鉄砲巧者と呼んで差し支えありません。

 2着タマモベストプレイは好位のインに潜り込んで4番手を追走。直線入り口では前がズラリと壁になって外へ持ち出さざるを得ず、一時勢いが鈍りましたが、直線半ばからは盛り返すように伸びて接戦の2着争いを制しました。毎年、札幌芝で好走している洋芝巧者。タフな馬場コンディションに加え、全体に緩みがなく、持久力を求められる流れになったのも幸い。身上である先行しての渋太さを存分に発揮できたと思います。ヤマカツライデンが3着。序盤、他の先行タイプを制してハナを取り切れたのが好走要因でしょう。上がり勝負だと鋭さ負けする分、ペースを落とさずに先導した池添騎手の好騎乗も光りました。

 1番人気サトノアレスは6着。好走実績のない2000mが応えたというより、瞬発力、切れ味が身上のタイプだけに今回は道悪に良さを削がれてしまいました。15着に沈んだステイインシアトルは重馬場で勝ち星はありましたが、洋芝の道悪はまた違うようでスピードの乗りが今ひとつ。こちらも馬場が影響して本来の力を発揮することができませんでした。
 

        text by 藤原

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。