藤原有貴 1月9日の推奨馬

ひとり勝負レースＧＰ（仮）

～月曜の狙い目～

藤原編集員が頭を悩ませ、選りすぐった

週末、馬券になりそうな狙い馬を紹介します。

1月9日(月) 中山 12Ｒ

4歳以上1勝クラス（芝2,000ｍ）

◎ 14 ウィズグレイス

　映画『男はつらいよ』その39作目にこんなシーンがある。吉岡秀隆演じる満男が寅さんにこう問いかける。

『人間ってさ、人間はなんのために生きているのかな？』

見ているこちらとしては寅さんはぐうの音も出ないような立派な返しをするんだろうと思う。が、

「難しいこと聞くなあ。ほら、ああ生まれてきて良かったなあと思うことが何遍かあるじゃない？そのために人間生きてんじゃないのか。そのうちお前にもそういう時が来るよ」

どんな立派なロジックよりも妙に心に沁みる言葉。個人的には胸にしまいつつ、そんな瞬間が来るのを楽しみに待っている。いいことばかりじゃないのは人も馬もきっと同じ。中山12Ｒ⑭ウィズグレイスは初勝利がインパクト大。逃げて後続を6馬身離す圧巻の走り。しかも1.58.5という勝ち時計は東京芝2000ｍの2歳レコード！同じ日にジャックドールが勝った3勝クラスに0秒1劣るだけ。当然、将来を嘱望され、次走のセントポーリア賞ではのちの菊花賞④着馬ドゥラドーレスを抑えて1番人気に支持された（結果は②着）しかし、以降は気持ちの強さが前に出過ぎてしまってリズム良く走れず、3戦続けて馬券圏外に。それでも、前走の東京戦で光が見えた。逃げ馬を前に見ながらもムキにならず、折り合って追走。しかも最後まで諦めずに走り抜けた。メンタルが大人になってきたなと感じるレースぶり。成長を待って大事にレースを使ってきたこと、調教、実戦で教えてきたことがようやく実を結ぶ時が来たのでは。今年は飛躍の年になりそうな予感。笑顔でスタートを切ってくれると信じて。