1:33.4(12.4 – 10.8 – 11.3 – 12.0 – 12.2 – 11.4 – 11.3 – 12.0)

 この日は朝から雲がかかり、発表は良馬場でしたが、メインの頃には雨が降っていました。過去10年と比較して、テン3ハロン34秒5は2016年に次いで2番目に速いです。その後、コーナーで減速するのは例年通りですが、ラスト3ハロンも水準以上。結果、1分33秒4のレースレコード(従来のレコードは1分33秒9)で決着しました。同じ舞台で行われた先週の桜花賞が1分33秒1で、こちらもレースレコードでした。今開催は速い時計が出る馬場状態ですが、それでも例年と比べてレベルは高かったと言えるでしょう。

 勝ったタワーオブロンドンは中団後方からのレース。直線は外から脚を伸ばして差し切り勝ち。2着とは半馬身差でしたが、脚勢は完全に上回っていました。メンバー唯一の重賞勝ち馬で、朝日杯FS3着馬。さすがに、ここでは力が違いました。折り合い重視の競馬だったとはいえ、マイルまでは全く問題ないようですね。3代母Doff the Derbyの姉Trillionは、G1を含む重賞7勝の女傑。その娘Triptychは、愛2000ギニー、英チャンピオンSなどG1だけで9勝しました。母スノーパインの姉にはエルメスティアラという馬がいるのですが、2016年の皐月賞馬ディーマジェスティの母にあたります。大舞台に強い超一流の牝系と言えるでしょう。

タワーオブロンドン血統表

 パクスアメリカーナは勝ち馬と同じような位置取りでしたが、外を回った相手に対して、こちらはずっとラチ沿いを通る形。手応え良く直線に向いて、内からスルスルと上がってきました。枠なりの競馬をしての2着。今日は完敗でしたが、川田騎手が「内枠で包まれる競馬。勝った馬も強かったですが、いい経験になったと思います」と語っていたように、今回のような競馬で結果を出せたことは次に繋がるでしょう。 前走はハナを切って楽勝したレッドヴェイロンでしたが、今回はスタートが今ひとつ。後方からのレースになりました。直線は大外に持ち出して、上がりはレース最速の34秒1。負けはしましたが、未勝利を勝ったばかりだったことを考えると大健闘。良血馬が軌道に乗ってきましたね。ここまでの上位3頭がNHKマイルCへの優先出走権を手に入れました。

 本紙の本命インディチャンプは4着。道中は好位のインで運んで、直線半ばで一旦は完全に抜け出しました。直線は馬群の中ほどに持ち出して伸びてきましたが、外からムチを入れるとこれに反応して内へ。ただ、これが直接的な敗因ではなく、決して遅くはない流れの中で早めの競馬をしていた分、甘くなったというところでしょうか。内容的には決して悪くなかったと思います。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。