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第23回 アンタレスステークス 回顧

1:49.8(12.7 – 10.7 – 12.3 – 12.2 – 12.3 – 12.0 – 12.3 – 12.3 – 13.0)

 日曜日のダートは終日、不良馬場でした。例年、京都ダート1800mで1分50秒を切る決着は数えるほど。昨年のモルトベーネが勝った良馬場1分49秒9ほどではありませんでしたが、今年も脚抜きのいい馬場で時計の速い決着となりました。ただし、アンタレスSだけに限れば特段に速かったわけではありません。過去の傾向からは、テンが速く、前傾ラップになりやすいレース。今年も同様で、道中は12秒前半で推移し、全体の仕掛けが早かったこともあって最後の1ハロンが落ち込む形に。

 1番人気はダートで5戦負けなしのグレイトパール。ただ、昨年5月20日の平安S以来の実戦となり、そのレースぶりが注目されました。プラス8㎏で余裕残しでしたが、マズマズの仕上がり。レースは中団から。向正面で外に持ち出そうとしますが、外にいたモンドインテロにブロックされます。ただ、前にいたミツバが3コーナー手前から動いたことで進路ができ、こちらも早めに動いて直線入り口では好位の外。最後は1馬身1/4差をつける完勝でした。このまま順調にいけばダート界を背負う存在となりえるでしょう。

グレイトパール血統表

 ミツバはひと叩きされて、気配は良く見えました。この馬場、外枠では位置を取るのが難しく、道中は砂を被るのを嫌って外々を回り、3コーナー手前から動いていって前に並びかける強気な競馬。勝ち馬には完敗でしたが、最後まで渋太く、なかなか強い内容だったと思います。これで近6年のうち5年で名古屋大賞典組が馬券に絡みました。今後もこのローテーションには注意が必要ですね。3着にはクインズサターンが入線。3月に2戦を消化しましたが、デキは維持。後方からレースを進めて、最初から外へ出すことを意識した競馬。想定通りの立ち回りで、ラスト3ハロンは勝ち馬と同じレース最速の37秒1で追い込んできました。

 トップディーヴォは中団のインから。レースが動いた3、4コーナーでは、前が壁になって動くに動けない形。直線では少しずつ外に持ち出しながら差を詰めてきましたが、上位を脅かすまでには至らず。昆調教師は「間を開けるよりも詰めて使った方がいいタイプなので、次は更にやれていい」とのこと。2番人気のナムラアラシは8着。スタートは伸び上がるような感じで、道中はポツンと離れた最後方。終いは脚を使っていますが、今日の競馬ではここまで。

text by 小林  

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