6月10日に阪神競馬場で行われたGⅢマーメイドSは当初、道悪になるケースも想定されたが、当日は多少、時計を要す程度の良馬場。それでも、戦前から混戦が予想された通りに人気は割れて、結果も①~⑩着馬が0秒8以内にひしめくことになった。ただ、研究ニュース当日版では勝ったアンドリエッテ(⑩人気)を「データから推す」で軸馬に指名し、②着ワンブレスアウェイ(⑨人気)を岩村TMが着眼のコラムで推奨。③着ミエノサクシード(④人気)は本紙予想を担当する小宮TMが◎にしていたので、上手に組み合わせて好配当をゲットしたファンの方もおられたのでは(あやかりたい)。
それではレースを振り返ってみましょう。テンの入りは緩めでも、外からトーセンビクトリーが先手を取りに行ったところでラップが速くなり、5ハロン通過が59秒6、後半も59秒5の平均ペースで全体的には消耗戦の様相が強くなりました。
アンドリエッテは中団の内で脚をタメて、直線もインにこだわる形で決め手を発揮しました。2015年のオークス⑤着、秋華賞④着の実績から地力の裏づけも十分でしたが、データから推された根拠となったパールSの上位馬(④着以内で過去に重賞出走経験あり)に注目というポイントは、来年も役立ちそうなので覚えておきたいですね。
②着ワンブレスウェイの好走要因は最内枠でも課題のスタートが決まったことですが、今までの好走時よりも後ろの位置から馬群を割って伸びた点が収穫。発馬さえ互角なら展開に注文はつかなくなりました。③着ミエノサクシードも馬券圏内は確保しましたが、好位から伸び切れず。上位2頭から少し水を開けられた内容には直線に急坂のある阪神だと2000mは少し長い印象を受けました。1600~1800mが合っており、2000mなら直線がフラットなコースが理想でしょう。
以下では50キロの軽ハンデながら馬群の外を回して③着とクビ差だったヴァフラーム、同じく軽量でも終始、前に馬がいて鞍上が存分に追えなかった⑨着ルネイションは自己条件に戻れば見直しが必要。1番人気となったレイホーロマンスも集団の中から直線入り口で外に持ち出すロスがあり、力を出し切れないレースとなりました。この時季は馬場状態を予測するのが難しいですが、やはり牝馬のハンデ重賞は、ひと筋縄では収まりませんね。
text by 五十嵐
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。