大輪咲かす春はもう、すぐ

 

 2018年2月4日(日)1回東京4日目11R第68回東京新聞杯(GⅢ)は単勝3番人気に支持されたリスグラシュー(父ハーツクライ×母リリサイド)が優勝。牡馬を撃破したことで春のGⅠヴィクトリアマイルの主役候補に躍り出ました。管理するのは矢作芳人調教師。武豊ジョッキーはこれが1月の京都金杯に続く今年の重賞2勝目。

~来年使えるデータ~

 過去10年、前走がエリザベス女王杯だった馬は4頭出走して⑥①①①着。18年もエリザベス女王杯で⑧着に敗れていたリスグラシューが見事に一変して優勝。毎年、東京新聞杯では劣勢気味の牝馬だが、エリザベス女王杯組は高い確率で好走しており、例外扱いするのが妥当。来年以降も同組には注意が必要だ!

 

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

【パドック】

 リスグラシューは馬体がキッチリできていましたが、休み明けの影響か、うるさい仕草が目立ちました。サトノアレスは活気溢れる周回。いい仕上がりでした。ダイワキャグニーはホライゾネットを着用して馬場先出し。テンションが上がるのを上手に我慢できていたし、いい状態に映りました。

勝ち時計 1分34秒1(晴れ・良)

前半3F → 後半3F 35秒4 → 34秒1

12.4 – 11.4 – 11.6 – 12.2 – 12.4 – 11.1 – 11.0 – 12.0

 

【展開・ペース】

 トウショウピストがハナを叩きましたが、半マイル通過は47秒6というスローペース。瞬発力比べになった分、勝ち馬から1秒以内に15頭がひしめく形に。そんな混戦を断ち切ったのがリスグラシューでした。

【レース分析】

 勝ったリスグラシューは中団を追走。抜群の手応えで直線に向くと、狭いスペースを鮮やかに抜け出し、2歳時のアルテミスS以来となる重賞2勝目をマーク。スローペースで②着に1馬身という着差は完勝と言えるレベル。クラシック3冠、そしてエリザベス女王杯を戦い抜き、4歳を迎えて、さらに成長した印象。今日の鋭い伸びを見ても距離はマイルがピッタリですね。

レース後、武豊騎手は「久しぶりにこの馬とのコンビで勝てて嬉しい。3コーナーあたりでペースが緩んだ時にかかりそうになったけど、我慢が利きました。昨年までは狭いところに入ると気を遣うような面がありましたが、今日は大丈夫でした。それに直線での反応も良くなっています。東京のマイルで勝てたのは大きいですね」とコメント。ようやく勝利に導けた喜びが鞍上の「嬉しい」という言葉に集約されていますね。

 

リスグラシューの4代血統表

 

 ②着サトノアレスはスタートで後手を踏み、腹を括って後方待機策。直線は内ラチ沿いを狙いましたが、良馬場発表(当日は稍重スタート)とはいえ、水分を含む馬場でしたから他馬が外目に広がったことでスムーズに追い上げられました。残り100m付近からモタれるような面を見せましたが、一昨年の2歳王者が復調を示しました。

 ダイワキャグニーは外枠だった分、道中は外を回らざるを得ませんでしたね。上位2頭とはコース取りの差が出てしまった格好。その点を考慮しますと勝ち馬から0秒2差なら合格点を与えられると思います。

 1番人気に支持されたグレーターロンドンは序盤から、いくらか行きたがる感じはありましたが、落ち着いた流れを考えれば、いいポジションで運べました。しかし、仕掛けられても鋭い脚を使うことはできずに⑨着。やはり、脚をタメて運んだ方がいいタイプなんだと思います。

text by 京増真臣/構成 藤原

 

  

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