10月21日(日) 4回京都7日
僅かキャリア3戦のフィエールマンが勝ちました。3カ月半の休み明けで距離経験は1800mしかなく、データ的には買いにくい一頭でしたが、そんな不安を撥ね退けて最後の一冠を奪取。管理する手塚貴久調教師は牡馬クラシック初制覇。C.ルメール騎手は先週の秋華賞に続いてGⅠを連勝。ここまで3週続けて重賞勝ちと絶好調です。馬主は(有)サンデーレーシング。生産はノーザンファーム。
3:06.1(12.8 – 11.9 – 12.5 – 12.9 – 12.6 – 12.4 – 13.3 – 13.0 – 12.8 – 12.7 – 12.8 – 12.2 – 12.2 – 10.7 – 11.3)
前半62.7 中盤64.2 後半59.2
アイトーンは出ムチを入れて押して押してハナを取りに行きましたが、外のジェネラーレウーノが速く、引かされる形。結果的に最内枠が裏目に出ましたね。ラップを一目見てスローの瞬発力勝負だったことが分かります。1000m通過1分2秒7は過去10年と比べて最も遅く、このペースなら坂の下りからのロングスパート戦となってもよさそうですが、各馬が我慢して12秒2、12秒2と意外と落ち着き、その分ラスト2ハロンは10秒7、11秒3と3000mの長丁場とは思えない上がり。フィエールマンは出たなりで道中は中団。まず、スタートを五分に切れた点が大きい。そして、4コーナーでは外からエタリオウが動いた時もジッと我慢。直線半ばで前が開いてからの伸びは見ての通り。エタリオウとの追い比べをハナ差制しました。上がり3ハロン34秒2は過去10年と比べて最速。次に速いのはサトノダイヤモンドが勝った2016年の34秒7ですが、2つの年の共通点は分かります? 共に瞬発力に優れたディープインパクト産駒が勝ちました。
エタリオウは今回も後方からのスタート。ただ、今日は1周目のスタンド前でポジションを上げ、うまく勝ち馬の後ろに納まりました。このあたりはさすがM.デムーロ騎手。2周目の坂の下りでも行ってしまいそうになる相棒をなだめて、できるだけ我慢。4コーナーの立ち上がりでの加速もスムーズ。いやあ、うまく乗っていると思いますし、馬もよく走っています。これは勝ち馬を称えるべきでしょう。
3着には10番人気のユーキャンスマイルが入りました。スタート後すぐに内に入れて、道中は中団の内め。1周目の4コーナーで前を行くアイトーンが折り合いを欠いて暴れた場面以外はスムーズで、向正面からはずっと勝ち馬が見える位置を進み、直線の立ち上がりで勝ち馬の外へ。最後は決め手の差が出ましたが、勝ち馬をブロックしつつ脚を伸ばしてきた騎乗、内容には拍手を送りたいと思います。近10年で阿賀野川特別を連対した馬は、2008年オウケンブルースリ1着、2009年フォゲッタブル2着、2017年ポポカテペトル3着、2018年ユーキャンスマイル3着。今後も注目のレースですね。
1番人気のブラストワンピースは4着。レースはエタリオウをマークする形。4コーナーでは外を回るエタリオウの更に外。この馬も伸びていますが、上位に鋭さ負けしたあたりは距離でしょうか。皐月賞馬エポカドーロは8着。少し高いテンションがどうかと思いましたが、レースでもかなりの行きっぷり。なんとか宥めて逃げ馬の後ろで折り合いをつけ、直線は最内から一瞬伸びかけましたが、今ひとつ伸びきれず。戸崎騎手は勝負どころで外を振り返っていますが、もう少し速く動きたかったんだと思います。距離もあったのかもしれませんが、さすがにこの上がりは速過ぎるでしょう。ジェネラーレウーノはマイペースに持ち込んで最後の直線に向きましたが、こちらもヨーイドンの瞬発力勝負では厳しかったです。
text by 小林
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。