5回東京5日目11Rに行われた第23回GⅢ東京スポーツ杯2歳Sは8番人気のニシノデイジーが接戦を制して優勝。鞍上は勝浦正樹騎手。管理するのは高木登調教師。ニシノデイジーは北海道浦河・谷川牧場の生産馬。馬主は西山茂行さん。祖母ニシノミライの父はセイウンスカイ、そして母はニシノフラワー。西山オーナー縁の血統馬がクラシックウィナーを多数輩出する出世レースを制し、次走はGⅠホープフルSへ向かう。
それではレースを振り返っていきましょう。
【展開・ペース】
スタート後、最内枠からハクサンタイヨウが前へ出たが、これを交わしてトーラスジェミニがハナを奪取。前半800mは48秒5に対し、後半のそれは46秒2。道中は極端な緩みはなかったが、スローに近い流れとなった。
【レース分析】
この日から東京の芝コースはB→Cコース使用。内の傷んだ部分が移動柵によってカバーされて前半のレースでは内をロスなく運んだ馬の活躍が目立った。ニシノデイジーは2番枠から内ラチ沿いを運べたのが勝利に結びついた印象だ。ただ、直線で進路が開くと滑らかに加速し、最後は4頭並んでの追い比べを制したように勝負根性も光った。過去3戦の自身の上がり3ハロンは36秒0、35秒7、37秒0。今回は上がりの速い決着に対応し、33秒9というラスト3ハロンをマーク。戦前にあった上がり勝負に対応できるのか、という不安説を軽々と一蹴した。
「少しムキになるところはありましたが、ゲートを普通に出て、いい感じで運べました。追ってから少し甘くなる面があるんですが、内から抜け出してからも頑張ってくれました。距離はもう少し延びても大丈夫ですね」とレース後の勝浦騎手。札幌2歳Sを勝っていながらも8番人気に甘んじたが、暮れのホープフルSには堂々と人気を背負って挑む。
コスモス賞のアガラスはプラス8キロと馬体が余裕残しだったのに加え、逃げる形で後続の目標にされた分の②着。今回はスタートがゆっくりだったこともあり、後方のインで脚をタメる形。直線は何度か進路が狭くなるシーンはあったが、馬群から割って出るとグングン伸びてハナ差②着。母ロッシェノワールは東京、新潟マイルで勝ち星。自身も初勝利が東京だったように直線が長く、瞬発力を生かせる舞台が合っていることを証明して見せた。
③着ヴァンドギャルドは馬群の中で折り合いに専念。直線に向いてスムーズに馬場の真ん中へ持ち出すと鋭く伸びて首位争いに加わった。上位2頭がキャリアを積んでいた点を考慮すると、新馬勝ち直後+多頭数のレースでこれだけ走れた点を高く評価したい。ヴェロックスは直線で内から寄られて少しバランスを崩したが、そこから立て直されるとしっかりと脚を見せて勝ち馬からハナ+アタマ+ハナ差④着。この馬も資質の高さは示した格好。
1番人気ルヴォルグは⑨着。スタートが合わずに後方から。直線では他馬と接触するシーンもあった。この1戦だけで見限るのは早計だろう。
text by 藤原
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