1月26日に中山競馬場で行われた第61回GⅡアメリカジョッキークラブC(芝2200m・4歳以上・別定)はブラストワンピース(単勝1番人気)がゴール前での叩き合いを制して優勝。昨年のGⅡ札幌記念以来となるJRA重賞5勝目を挙げ、最高の形で2020年をスタートさせた。鞍上は前走のGⅠ凱旋門賞でも騎乗した川田将雅騎手。美浦・大竹正博調教師の管理馬。ブラストワンピースは北海道安平町のノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】スティッフェリオが注文通りハナを奪い、前半1000m通過は62秒4。思い描いた通りのスローペースに持ち込めたが、雨の影響が残って馬場状態は稍重。この馬自身、重馬場で2度②着はあるが、新馬戦と未勝利戦でのもの。基本的に渋った馬場は得意ではなく、粘りを欠いてしまった。

 

▲引き締まった体で態勢は整っていたブラストワンピース(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 ブラストワンピースは、昨夏のGⅡ札幌記念と比較して馬体重は10キロ増。それでも、22日の最終追い切り当時よりも体が引き締まっていた。海外遠征後の一戦だったわけだが、9分程度の仕上がりまで持ってこれた印象だ。好位に陣取り、3コーナー付近からジワッと進出。4コーナーでは目の前を走るマイネルフロストが故障するアクシデント。一瞬、ヒヤッとしたが、故障馬や他馬と激しく接触することはなく、直線へ。一完歩ごとにステイフーリッシュとの差を詰め、最後はきっちり交わしてゴール。やはり唯一のGⅠホース。地力が違った

 

ブラストワンピースの4代血統表

 

「いい雰囲気で競馬を迎えることができましたし、馬自身も走りたい気持ちが強かったです。4コーナーで残念なことに故障馬が出てしまい、その影響を受ける形になってしまったのですが、それでも勝ち切ったあたり、やはりグランプリホース。ここでは能力が違ったということだと思います。昨年の凱旋門賞以来で、今回どんな競馬ができるかがまず大事でしたが、これだけの内容で結果を出してくれました。今年ここからブラストワンピースが始まっていくので、また期待して見てもらえたらと思います。」川田将雅騎手。付け加えて、川田騎手は相手をステイフーリッシュと睨み、4角で進路を内に取ったことも勝因のひとつ。仮に後続勢を待って追い出していたなら、おそらくステイフーリッシュに押し切りを許していただろう。またスティッフェリオとともに外を回っても厳しかった。このあたり、鞍上の瞬時の正確なジャッジも奏功し、勝利を引き寄せた。

 

GⅠを勝った中山で再び輝いたブラストワンピース(撮影:yu~kun )

 

 ステイフーリッシュは、前走のGⅢチャレンジCの時よりも落ち着きがあったし、馬体の張りも上々。スローペースの中、2番手に収まって、理想的なポジショニング。直線は最内に進路を取って一旦は完全に抜け出す場面。レース上がりが34秒4だった前走のような瞬発力勝負は不向き。上がりのかかるこの日のような馬場も合っている。

 

 

 ラストドラフトは研ぎ澄まされた体つきで、脚取りもシャープ。ただ、4コーナーでのアクシデントにより、ブレーキを踏んでスピードを削がれ、外を回ることにもなった。それでも、ミッキースワローとの際どい③着争いは制した。4歳になったばかりでキャリアもまだ7戦。今後の活躍が楽しみだ。ミッキースワローも、ラストドラフトと同様に4コーナーでの不利が痛かっ

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ったブラストワンピースは前走がGⅠ凱旋門賞で5秒2差をつけられての大敗。来年以降は前走が海外GⅠなら着順、着差は不問と考えたい。また②着ステイフーリッシュは前走がGⅢで⑩着(0秒6差)だった。GⅢ組は前走で勝利するか、0秒6差以内なら狙えるというように条件を緩和したい。

〇馬体重・・・勝ったブラストワンピース(GⅠ凱旋門賞の馬体重は未発表)は500キロを超す大型馬で当レースの傾向に合致していたが、今年の②着馬は前走時の体重が460キロ。来年以降、前走時の馬体重に関するデータは勝ち馬限定で採用したい。

 


 
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