2020年3月28日(土) 2回阪神1日

 前日の雨の影響が残り、馬場状態は稍重。ただ、1つ前の2勝級のマイル戦で1分33秒9が出ていたので、それなりの時計は出るコンディションと思われた。

 レースはダノンアレーが好スタートを切ったが、二の脚を利かせて内からアーヴィンド、外からメイショウラツワンが並びかけ、3角でメイショウラツワンが先頭へ。前半から動きがあったことで、2~4ハロン目まで11秒台が続き、前半の1000mは59秒6。10頭立てにしては縦長の展開で、地力が問われることになった。

 勝ったサトノインプレッサはゲート内での態勢が良くなく、出てからもトモを落とすような格好で出遅れてしまい最後方から。ただ、武豊騎手はまったく慌てず前に壁を作って折り合いに専念。3角でペースダウンした時に行きたがる素振りはあったが、概ね折り合っていた。直線で馬群を割ろうとした時に、すぐ外のヒューイットソン騎手が閉めにきて接触したが、手応え十分で脚色も上。難なく割って抜け出した。同距離で3歳1勝級の9Rより1000m通過が2秒も速いのに勝ち時計は0秒2しか速くなく、着差も4分の3馬身だが、ムチを使ったのは進路ができた時に1回だけであとは軽く仕掛けた程度。他馬を圧倒したその走りで、平凡な数字は吹き飛んだように思う。これで3戦3勝。走りに軽さが出て、未経験の良馬場なら更にいい走りができそうな気がする。馬体重は前走と変わりがなく腹回りも太く見せたが、アバラは浮いていたのでこれくらいで良さそう。母が名マイラーのサプレザ。次走に予定されているNHKマイルカップでも期待できる。

 アルジャンナは馬群の中からスムーズに外へ出すことができて力は出し切っている。ただ、きさらぎ賞の時でもそうだったが、反応するまでに時間がかかり、伸びてからもジリジリ。ディープインパクト産駒だが、現状は長く脚を使うタイプ。今後も相手なりに走りそうだが、勝つにはもうワンパンチ何かが欲しいところ。

 ダノンアレーは3番手から無駄のない立ち回りで、最後も渋太さを見せた。芝で②②③着と崩れていないが、すべて上がりを要したレース。瞬発力を求められた時の対応がこれからの課題。

 メイショウラツワンは途中からハナを奪い、1ハロンまでは先頭。今回で後続の馬に脚を使わせて粘り込む形がいいというのが見えてきた。1勝級に戻れば、常に警戒しておきたいタイプ。

 3番人気のストーンリッジは⑥着。スタート直後から力みが目立ち、岩田望来騎手が抑えるのに苦労していたのが最後の伸びを欠いた要因だろう。抑えているうちにポジションも悪くなり、今回はチグハグな競馬となった。

text by 石井大

 

 

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